...青銅の酒盞(しゆさん)に明滅する青い光は...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...明滅する炎の前に幻のような不思議な姿を描き出す...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...明滅するとは感じないのです...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...不気味に明滅する...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...幽(かすか)に明滅する光るものをたよりに...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...僕は明滅するビルデングの灯を...
太宰治 「正義と微笑」
...それでもまだしばらくの間は生き残った肉親の人々の追憶の中にかすかな残像(ナハビルト)のようになって明滅するかもしれない...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...喧騒(けんそう)してる蛮人らを煌々(こうこう)たる鎗でなぎ倒す至上の理性など――のうちに明滅する...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「偽り者めッ」と、いわれたから、それを否定しようと思ったが、一年半近く、御落胤と信じていて、とっくに、宝沢の生活を、自分の記憶から捨てていた天一坊にとって、二つの生活が、余りにちがっているが為、総(すべ)てが――今、胸を突かれた事も、誰かが、両腕を押えていることも、赤川の叫びも、常楽院の号泣も、騒がしさも、一切が、夢のように感じられた、極端な二つの生活が、混乱して、頭の中で、素早く廻転し、明滅すると共に、「いいえ」と、叫んで、首を振ったが、越前守はもういなくなっていて、縄が手首へ食い込んでいた...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...左手の沖には一列の火光がちら/\と明滅する...
長塚節 「佐渡が島」
...明滅する先方の光りはイシカリ河口に起伏する砂ッ原にかかったらしい...
本庄陸男 「石狩川」
......
槇村浩 「出征」
...枕もとに明滅する花火の光を見つめながら圓朝は...
正岡容 「圓朝花火」
...大島の左手の端に低いが目立つ燈台があって明滅する...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蒼白い月光或いは明滅する極光の中を...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...鼻の表現の中(うち)を往来明滅するのを禁ずる事は出来ないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...笑うが如き泡沫(あわ)が一面ぶつぶつ明滅するのみである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分の心のうちで明滅する慾情のはためきへ胸のうちで云っている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索