...明滅する星の光は我我と同じ感情を表はしてゐるやうにも思はれるのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...明滅する炎の前に幻のような不思議な姿を描き出す...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...またその間に明滅する山水が汽車中の旅客の目をなぐさめるばかり...
田山録弥 「玉野川の渓谷」
...二重にも三重にもふくれたりしぼんだり明滅する太陽のもと...
峠三吉 「原爆詩集」
...三十ばかりの螢がかわる/″\明滅する...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...体も意識も、ふらふらと、明滅する感じだ...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...明滅する電光で照らされるように内部が青白くひらめいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...左手の沖には一列の火光がちら/\と明滅する...
長塚節 「佐渡が島」
...雪の峯角に冷たい利刃のような閃めきが明滅するや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...海とも空ともつかぬあたりに天草のいさり火が吹きすさぶ凩(こがらし)に明滅する如く微かにまたゝいてゐるのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...私は明滅する仁丹の広告燈にみいっていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...日比谷の向うの長い地平線(スカイ・ライン)は一種夢幻なる光暈に包まれ、緑の、青の、赤の、黄色の、明滅する、旋回する、飛発する、ありとあらゆる種類のネオン・ランプが雲を焦かんばかり、五彩の飛爆がそこに懸るかとも思われる...
久生十蘭 「魔都」
...のみならず海螢の光は静かに明滅するが...
武者金吉 「地震なまず」
...明滅する広告電燈や...
夢野久作 「少女地獄」
...灯台の鋭く明滅する光りが見えた...
横光利一 「旅愁」
...直前の死が描き出す、幼時の父母のおもかげ、自分の少年時の姿、後醍醐もまだ帥(そち)ノ宮といっていた頃のお顔やら、あの人、この君など、数十年の宮廷生活が、回顧の電光(いなびかり)となって、あたまのうちに、明滅する...
吉川英治 「私本太平記」
...自分の心のうちで明滅する慾情のはためきへ胸のうちで云っている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...河水に向って明滅する大電気時計が赤色に染められて...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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