...魂が此二つの層に出入する毎に明滅する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...幽(かすか)に明滅する光るものをたよりに...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...明滅する闇と光りの美くしさ雨よ降れ...
千家元麿 「自分は見た」
...今も記憶の歳月にみがかれたその全存在が明滅する...
高村光太郎 「智恵子抄」
...思いがけない横っちょの空に青や赤の電燈が明滅するのは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...またその間に明滅する山水が汽車中の旅客の目をなぐさめるばかり...
田山録弥 「玉野川の渓谷」
...夜は沖に明滅する白魚舟の漁火(いさりび)も見えるのであった...
徳田秋声 「縮図」
...仄(ほの)かな明滅する感覚...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...喧騒(けんそう)してる蛮人らを煌々(こうこう)たる鎗でなぎ倒す至上の理性など――のうちに明滅する...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...過去の明滅する幻が彼の脳裏に残したものは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ハタハタと明滅する仁丹の広告灯にみいっていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...壁面に明滅する符号が見える...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...砂漠一面に点々として明滅する焚火...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...読む者をして百年の地上に明滅する種々雑多な人間の浮沈と文化の興亡とを...
吉川英治 「三国志」
...自分の心のうちで明滅する慾情のはためきへ胸のうちで云っている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...心のうえで明滅する...
吉川英治 「宮本武蔵」
...河水に向って明滅する大電気時計が赤色に染められて...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...そこから孟買の港に船遊びする富限者船の燈(あかり)が明滅するのを眺めながらサルーンから響いてくる音楽と歓談の声を聞いた...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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