...彼は継述を避け、自分なりの説明方法を模索した...
...酒なくて何のおのれが櫻かな、で花にはいづれも附物だが、ほんとうに花を見ようといふなら、明方の櫻か、薄月でもあつて、一本の櫻がかう明るいやうな所を見るにあると、言ふものの半ば御多分に漏れない、活きた花を見るのだが、陰氣な顏をして理窟を言つたり、くすんだりして見るよりは、派手に陽氣に櫻と競つて花見をしたら、萬都の美觀を添へるだらうと思ふ...
泉鏡花 「お花見雜感」
...明方近くとろ/\としたが...
種田山頭火 「其中日記」
...明方(あけがた)から降り出した雨なので...
田山花袋 「田舎教師」
...先づ水曜の夜か木曜の明方にやられたものと推定します...
南部修太郎 「死の接吻」
...松山の奥に箱根の紫の山の浮べる秋の暁下足柄の海岸から即ち裏の方から松山の奥に箱根山を望見する秋の明方の心持が洵に素直になだらかに快くあらはれて居る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...暁に馬悲しめり白露の厩の軒に散れるなるべし明方ふと目をさますと馬の嘶くのが聞こえる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ある夜の明方、僕は一つの夢を見た...
堀辰雄 「不器用な天使」
...今年の二月二十三日の星の寒い明方だった...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...明方彼の部屋を叩いた...
牧野信一 「F村での春」
...明方未だ誰も起きないうちに立ち帰つて寝入つてゐるので...
牧野信一 「F村での春」
...誰も悸す者がないので彼女は明方になると其処に戻つて来て終日のネグラにしてゐる...
牧野信一 「どうしたら私は憐れな彼女を悸さずに済せるだらう」
...手紙を書くので明方までかゝつてしまつた...
牧野信一 「晩春日記」
...「未だ明方までは十分の時間があり過ぎるな...
牧野信一 「船の中の鼠」
...明方になつて床に入る...
牧野信一 「籔のほとり」
...品川の海長谷川時雨女史は嘗て品川の所謂ステンショが波打ち際に建てられてゐて夏の明方など旅客は列車からヒラリ飛下り必らず白浪にその足を快く洗はれたものと誌してゐられた...
正岡容 「山の手歳事記」
...それとて彼には彼の解釈の仕方があって発明方法を盗むということは文化の進歩にとっては別に不道徳なことではないと思っているにちがいない...
横光利一 「機械」
...明方(あけがた)の夢に流れる琵琶(びは)のおと...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ようよう窓の明るみそめる夜明方の浴槽にたんだ独りひっそりと浸りながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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