...彼は継述を避け、自分なりの説明方法を模索した...
...憶ふ昔、佐藤一齋の杉田觀梅記に感服のあまり、頓に遊意を催して、夜八時都を出で、明方杉田に着し、その日また直ちに歸路に就き、一晝夜を全く徒歩して辭せざるまでに思ひこがれたる地なれど、前後こゝに遊びし友、一半は渭樹秦雲と隔たり、一半は幽明界を異にす...
大町桂月 「杉田の一夜」
...板戸の隙間が仄(ほの)かに白んで来た明方など...
鈴木三重吉 「桑の実」
...何でも明方だそうだが...
関根黙庵 「枯尾花」
...黎明方(よあけがた)でないといないことさえあった...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...明方近く覚めて句作...
種田山頭火 「其中日記」
...窕子は明方まで眠れなかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...明方ちかかつた...
長谷川時雨 「煎藥」
...卑しい妄想に病(なや)まされて到々明方までまんじりともしなかつた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...酔を得ない私は明方まで悶々と眠れぬ夜を持てあました...
牧野信一 「熱い風」
...明方も忘れた私は戸閉りをしたまゝの部屋の中で...
牧野信一 「鬼の門」
...三辰男の明方の夢には...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...三月二十八日 晴例によって明方の寒気に叩き起こされる...
松濤明 「春の遠山入り」
...「兎園小説」に延享五年――寛延と改元された年の正月十三日の明方...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...ところがその夜明方から朝にかけて...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...というよりきょうの明方大層冷えましたね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...僅かに慰められたやうに感じられたその明方に...
三好達治 「測量船」
...明方の灰色な空気が漲(みなぎ)ってまだ人影はない...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...ようよう窓の明るみそめる夜明方の浴槽にたんだ独りひっそりと浸りながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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