...俺は今一期の大事を打明ける樣におど/\しながら此事を自分の魂に囁くのだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そこでわたしは褌(ふんどし)ひとつになって仕切りのガラス戸を明けると...
大坪砂男 「浴槽」
...雨戸を明ける...
高浜虚子 「子規居士と余」
...村の人は夜が明けると...
田中貢太郎 「青蛙神」
...ますます家を明けることが多くなって行った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...打明けることが出来ないのである...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...これが地下電線の被覆鉛管をかじって穴を明けるので...
寺田寅彦 「鉛をかじる虫」
...夜が白々明けるまで...
徳田秋聲 「和解」
...親しい者にも話せないようなことまで不用意に打明ける...
豊島与志雄 「待つ者」
...姙娠を彼にうち明けるのだって...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...またトゥーサンをあとに残すことも彼女に秘密を打ち明けることもできなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...予(あらかじ)め別の女が西洋名画の筆者と画題とを書いたものを看客に見せた後幕を明けるのだという話であった...
永井荷風 「裸体談義」
...只で秘伝を打明けるということは商売冥利(みょうり)の上からできねえ――代を払いな...
中里介山 「大菩薩峠」
...三輪の親分の鼻を明けることならなお有難えが」「こうだ――」平次は何やら囁(ささや)いてガラッ八を寒い闇の中へ送り出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「夜が明けるのが怖い」と云つた...
吉川英治 「折々の記」
...夜が明けると、小舟も漁船も、敵に正体を見られぬうちに、四散してしまった...
吉川英治 「三国志」
...……どこが痛い? ……わしがついているゆえ案じぬがよいぞ」両の腕に、軽々と、彼女のからだを乗せ、自分の寝床の中へ運んで、その枕元に坐り、夜の明けるまで、看護していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――そんな莫迦な事をするより、例え短かくとも、夜が明けるまで、こうして葉ちゃんの、ふくよかな肩の感触を恣(ほしいまま)にした方が、どれ程気が利いていることか……)黒吉の心の中の、内気な半面が、こう囁いた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
便利!手書き漢字入力検索