...土地の郷士で、士分のあつかひを受け、藩中並ぶ者もない勢威でしたが、今から二十一年前家中の侍の娘を娶(めと)り、伜勇三郎を生みましたが、困つたことに、私の新嫁には、私のところへ嫁入りする前に許婚があつたのでございます」「?」話は奇怪に發展しさうです、平次も兼吉も固唾(かたづ)を呑みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たとえば洛外川島村の門弟山口薫次郎(くんじろう)は郷士で豪農でまた商人であり...
服部之総 「志士と経済」
...間もなく郷士体の者に救いあげられ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...知っておらんか?洋服 何でも利根あたりの郷士の娘で...
三好十郎 「斬られの仙太」
...世郷士(よゝがうし)を以て聞えてゐた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...近世のいわゆる郷士とは大分性質の違ったものである...
柳田国男 「家の話」
...相手はところの郷士で...
山本周五郎 「日本婦道記」
...人待ち顔に往来を眺めている郷士風の侍のささやきを聞くと...
吉川英治 「江戸三国志」
...は」と給仕の郷士が...
吉川英治 「江戸三国志」
...男は狛家(こまけ)に仕える高麗村郷士(こまむらごうし)のひとりで...
吉川英治 「江戸三国志」
...不敵な郷士の度胆(どぎも)を奪うには足りないが...
吉川英治 「剣難女難」
...一人の郷士の腰を払いつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...電光石火に郷士の一人を梨割りに斬って捨て...
吉川英治 「剣難女難」
...まず近村の壮丁や不遇な郷士が動かされた...
吉川英治 「三国志」
...「ことによるとわしへ思い当るように、神領郷士の者が、嫌がらせにした悪戯(いたずら)かも知れぬな」「そんな悪戯をしそうな者のお心当りがあるのですか」「ある! ……実はお汝(こと)に来てもろうたのもその相談じゃが」「では何か、私に関(かかわ)りのあることで」「気持を悪くなさるまいぞ――こういうわけじゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「――あっ?」浴びた飛沫(しぶき)に身振いしながら、三名の郷士は、お通を囲んで、浅い河の瀬に立竦(たちすく)んでしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それは郷士らが路傍で拾った藁(わら)の素縄(すなわ)にすぎなかったので...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――すると、郷士のひとりが、「あっ、この阿女(あま)」城太郎から、ふた跳びほど躍って、彼女の背へ、刀のみね打ちを振り下ろそうとした...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索