...明けていふと、活東の其の柳橋の番傘を隨筆に撰んだ時は、――其以前、糸七が小玉小路で蛙の聲を聞いてから、ものゝ三十年あまりを經て居たが、胸の何處に潜み、心の何處にかくれたか、翼なく嘴なく、色なく影なき話の種子は、小机からも、硯からも、其の形を顯はさなかつた、まるで消えたやうに忘れて居た...
泉鏡花 「遺稿」
...その夜の明け方ちかく気温が急降することが別ったので...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...やがて明け放たれた...
海野十三 「俘囚」
...入口も明け放しで...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...明けはなした二階の窓から白い二つの顔が覗(のぞ)いていた...
田中貢太郎 「藤の瓔珞」
...僕は此の通り何も彼も隠さずにお前に打ち明けて居るんだぜ...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...その日は一日さうして孤島に逗(とど)まつて私は又しても退屈さうに湖上を遠く眺めて早く夜が明けて明日になることを思つた...
近松秋江 「湖光島影」
...きっと何とか目鼻を明けてお目にかけることよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...――その事だけはお光も私に打明けてくれませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今朝の夜明けまでの間――間違ひもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほのかな夜明けのけはいがして...
久生十蘭 「キャラコさん」
...もう間もなく夜明けになるだらう...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...「蓮の実と思ひながらも障子明け」と詠じたのは実況ではありません...
牧野富太郎 「植物記」
...望みを打ち明けても...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...夜明け方から病になって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まえの夜から降りだしたのが明け方には二尺あまりも積り...
山本周五郎 「日本婦道記」
...夜明けを惜しむように炉の火へ焚木(たきぎ)を足そうとしたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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