...明々後日(しあさって)の朝? ありがとうきっとお待ち申していますからぜひですのよ」葉子がそういっている間...
有島武郎 「或る女」
...明々後日(やのあさつて)になれば...
石川啄木 「足跡」
...あなたがこの缶を手に持ったことは明々白々なんだ」「あとでよく考えてみますけれど...
海野十三 「地獄の使者」
...それは明々白々であつた...
太宰治 「お伽草紙」
...明々とした光や騒音に馴れたあとなので...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...常識は之に対して否と答へることは明々白々と信じます...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...実際はその正反対で、彼らは明々白々、一見して目に映るような現実を、あきれ返るほど馬鹿げたふうに受けいれて、もうその当時から、ただ成功のみをありがたがる癖がついてしまっていたのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...明々白々掩はむと欲して掩ふ能はざる所にして特に横濱埋立事件の眞相に至ては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...或る板塀の中に明々と光の見えてる家に出逢う...
豊島与志雄 「交遊断片」
...平和な幸福な堯舜(げうしゆん)のやうな人民に文明々々と怒鳴つて...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...明々と灯火が洩れる三階建の建物で四方から囲われてちょうど井戸の底のようになっている...
久生十蘭 「魔都」
...明々白々の事実にて候...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...従って明々白々にあり得ることは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...明々後日(しあさって)は...
正岡容 「寄席」
...ある限りの山中海辺の地名はすべて明々白々にアイヌ語であって...
柳田國男 「地名の研究」
...これを前の新聞記事や、胎児の夢の論文と一緒に読めば、前述の美少年と美少女を材料とする怪実験が、大正十五年の十月十九日……すなわち今日の正午を期して、空前の成功を告げると同時に、絶後の失敗に終ったという、奇々怪々な精神科学の学理原則の活躍が、明々、歴々と判明して来る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...正面の小さい壇に明々と燈火(ともしび)を照らし...
吉川英治 「三国志」
...では、お綱は一体どこへどう消えてしまったのだろう? というに、あえて女だてらに屋根や高塀(たかべい)伝いの離れ業(わざ)をしたのでもなく、また変幻自在(へんげんじざい)な忍(しの)びの技(わざ)を弄(ろう)したのでもない、明々白々と、裸体(はだか)になっているのである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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