...ものの五尺(ごしやく)とは隔(へだ)たらぬ私(わたし)の居室(ゐま)の敷居(しきゐ)を跨(また)いで明々地(あからさま)に薄紅(うすくれなゐ)のぼやけた絹(きぬ)に搦(から)まつて蒼白(あをじろ)い女(をんな)の脚(あし)ばかりが歩行(ある)いて來(き)た...
泉鏡花 「怪談女の輪」
...夜空に聳え立つ工場の窓には明々(あかあか)と灯がうつり...
海野十三 「深夜の市長」
...そうなることは今から明々白々で...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...酒があるから酒を飲んだ、飯はないから食べなかつた、明々朗々である...
種田山頭火 「其中日記」
...近来にない明々朗々たる珍現象であつた!Y屋のMさんが例の如くやつてきて話す...
種田山頭火 「其中日記」
...彼が古今を通じて日本の生める最大人物の一人であることは明々白々である...
土井晩翠 「野口英世博士の生家を訪ひて」
...もはや明々白々の事実なのだが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...図書館の窓が明々と輝いていたり...
豊島与志雄 「鯉」
...明々として車室の中や窓越しの歩廊(プラットホーム)の光景など...
豊島与志雄 「小説中の女」
...いかに先駆の困難を勘定(かんじょう)に入れないにしたところでわずかその半(なかば)に足らぬ歳月で明々地に通過し了(おわ)るとしたならば吾人はこの驚くべき知識の収穫を誇り得ると同時に...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...戌刻半(いつゝはん)(九時)過ぎだといふのに明々と灯が入つてゐるぢやありませんか」「消し忘れたんだらう」ガラツ八の報告も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは明々白々な理論の否認である...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...禍源は一男子の悪徳に由来すること明々白々なれば...
福沢諭吉 「新女大学」
...暮れない内から二階にも階下にも明々(あか/\)と灯(ひ)が點(とも)された...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...これで告発者たちの私怨と違法とは明々白々である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さらに焔(ほのお)を新たにした篝(かがり)の火に明々(あかあか)とその横顔を照らされていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...明々白々、あれまで、書いてしまっては消しようもない」「……...
吉川英治 「新・水滸伝」
...客間には瓦斯が明々(あかあか)と点(とも)っていた...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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