...水蒸気ももやもや立ち昇る...
芥川龍之介 「霜夜」
...生命の階段を昇るべく努力しつつある...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...姿を粛(しずか)に、深く差俯向(さしうつむ)き、面影やややつれたれども、さまで悪怯(わるび)れざる態度、徐(おもむろ)に廻廊を進みて、床を上段に昇る...
泉鏡花 「海神別荘」
...もうもうと四面(まわり)の壁の息(におい)を吸って昇るのが草いきれに包まれながら...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...幾んど天に昇るの思ひあり...
大町桂月 「十和田湖」
...それより冷徹した冬の大空を昇る月のように――この月に自分を例える時には彼女はいつも涙ぐましいほど浄化された気持になれた――自由に純潔でありたいと思った...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...折から昇る月を背負うて戻る...
種田山頭火 「其中日記」
...窓から昇る陽をまともに飲むことのうれしさ...
種田山頭火 「其中日記」
...太平洋と昇る日!途中時々行乞...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...また翌年は一等属に昇るという風に...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...かぼそい雲が流れるやうその葉巻から立ち昇る...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...そのホソビキのあの脳に昇る匂ひを...
中原中也 「我が生活」
...溜間(ロビー)からすぐ昇降機で三階へ昇ると...
南部修太郎 「死の接吻」
...本物のお園が香爐から立ち昇る煙を前にいとも閑寂な姿で合掌して居ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...實朝の高官に昇り且昇るを望みしことも...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...かぐや姫とつれだって月宮に昇るとか...
正岡子規 「句合の月」
...と久慈は一瞬顔に血の気が昇るのを感じた...
横光利一 「旅愁」
...昇る伽藍堂塔(がらんどうとう)の附属も...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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