...半空(なかぞら)までも立ち昇る烈々とした炎の色は...
芥川龍之介 「地獄変」
...夜空に昇るのも似合いそうである...
芥川龍之介 「上海游記」
...少しく赤みかゝりたる月さし昇る...
上田敏 「月」
...彼の心は天にも昇るべく躍(おど)ったであろう...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...昇るだけ昇り切って...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...殺人未遂(みすい)事件でしょうね」明智はもうもうと立昇るフィガロの煙の中からいった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...第三年級に昇るべき学年試験では私は落第と定まつた...
丘浅次郎 「落第と退校」
...あの円筒形がその筒の軸と直角な軸の周囲に廻転しながら昇るという事と関係があるらしいとは思うが...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...段々を二三段昇ると...
徳田秋聲 「ある夜」
...明月の次第に高く昇るのを見てゐるのではない...
永井荷風 「町中の月」
...そのホソビキのあの脳に昇る匂ひを...
中原中也 「我が生活」
...ムッと立昇る土の香...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空にのみ規律残りて日の沈み廃墟の上に月昇りきぬ二十五年も前の事だが九月二日三日とまだ烟の立ち昇る焼跡に昇つた満月の色を私は忘れない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...旭の昇るのを待ち兼ねて泳いだことだ...
牧野信一 「或る日の運動」
...一束にした草鞋(わらじ)と一歩一歩踏み昇る場合の足場を掘るためのスコップとを鞍の一端に結びつけて来たのであるが...
牧野信一 「ゼーロン」
...また少し力を入るれば昇ること始めのごとし...
柳田国男 「遠野物語」
...私達は太陽の昇る頃...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...立ち昇る空の黒煙を見……また眼を落して...
吉川英治 「新書太閤記」
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