...なおやかな手で書いたくせに文章は昂然とした手紙で...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...あれほど昂然と自己の所信を固執していたアレサンドロも...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...」言葉を向けられた、背の高い、大陸的な風采の男は、昂然と笑った...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...彼の眉は昂然と高められていました...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...彼は、また一つ一つの本を大切にリュックサックにしまって、再び、昂然と、田島に向かって、という足どりで、私の家を去った...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...昂然としてかう言ひ放つた...
長塚節 「記憶のまゝ」
...内から突き落して何んの仔細がございませう」平次は昂然としてかういひ放つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昂然とかう考へた...
原民喜 「永遠のみどり」
...「今度は長いぞ」と順一は昂然として云ひ放つた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...私はこみ上げるヒステリイを抑(おさ)へつけ、昂然と頭を上げ、そして腰掛の上にしつかりと立つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
......
槇村浩 「餅の歌」
...だから幕の終りごとに、感激した喝采の声がひびき渡って、何度も何度も垂れ幕が開かれねばならなかったし、時には指揮者がその席でうしろを振り返って、昂然とした、かつ嬉しそうな態度で、部屋の中へ向って挨拶をする必要さえあるくらいだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...ハンス・ハンゼンが昔そのままに昂然と恰好よく――肩のほうが広く...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...約束ですから……下手ですが……(ニコニコしながら、草の上にアグラをかいて、上体を真直ぐに伸ばし、頭を昂然と上げ、両膝に両手をチャンと置いて、なにものとも知れず、正面はるかな所へ、キチンと一つ頭を下げる...
三好十郎 「おりき」
...昂然と胸を反(そ)らした...
横光利一 「上海」
...昂然として来たはずだのに――お杉の背中は乳房の後ろで張り始めた...
横光利一 「上海」
...彼はたちまち昂然となると...
横光利一 「上海」
...一度頭を昂然とあげて歩きたい...
横光利一 「夜の靴」
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