...さうして彼等の自信と並行して昂進するものは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...何か昂奮したらしい青醒めたT志願兵の顔がふと...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...つやは恐ろしいまでに激昂(げきこう)した葉子の顔を見やりもし得ないで...
有島武郎 「或る女」
...僕は恁(か)う妙に反抗心が昂まツて来て...
石川啄木 「漂泊」
...彼女の情的教育の欠点は二幕目の終り近く母親の情熱的な昂奮と感激におされて著しく目立つて来る...
伊藤野枝 「ウォーレン夫人とその娘」
...それに就いての大げさな心配や昂奮は一切しない事にかねてから心をきめてゐた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...老人は意気軒昂として叫んだ...
海野十三 「深夜の市長」
...非常に昂奮していた...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...政治家の面貌を見て彫刻的昂奮を感ずる事はめったにないのだが...
高村光太郎 「自作肖像漫談」
...いよいよ昂々然と刈りたての頭を高く持しているのを発見した...
谷譲次 「踊る地平線」
...反撥的な昂然とした気持にもなった...
豊島与志雄 「反抗」
...やがてわれは里昂の銀行を辞職し巴里に入りて拉甸区(ラテンく)の一客舎(きゃくしゃ)に投宿したり...
永井荷風 「書かでもの記」
...彼女の昂奮(こうふん)はようやく喰(く)いとめられた...
夏目漱石 「明暗」
...氏は常に外に対して昂然と身を持してゐる...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...極度の昂奮から激しく五体が震え出し...
牧野信一 「毒気」
...何れも昂奮して血眼になつて居るやうだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...昂奮と寒いのと空腹とに震えながら云った...
山本周五郎 「おれの女房」
...貸本屋を卒業すると、まもなく縁日の露店の古本屋で、涙香(るいこう)の翻訳物や押川春浪の冒険物などを漁(あさ)り出し、それが昂じて、すぐ帝国文庫へ手をつけ出した...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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