...がんがんがんと、胸は早鐘、幽(かすか)にチチと耳が鳴る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...読終った時は心が早鐘(はやがね)を突く如くワクワクして容易に沈着いていられなかったとある...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...妾の胸は早鐘のように躍った...
海野十三 「三人の双生児」
...早鐘を打つように動悸がして...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...胸の動悸(どうき)が早鐘を撞(つ)くようにひびく...
近松秋江 「霜凍る宵」
...心臓は早鐘をたゝく様に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...こらえ性のない老人の胸は早鐘のように打ち続けた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...早鐘が鳴り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いま早鐘のように鳴る心臓の痛さと言ったら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...それを思うと心臓が早鐘を打った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...この鐘楼では近火のたびに早鐘を撞き鳴らして一種...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...嬉しさに胸が早鐘のやうに皷動を打つてゐた...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...顔の筋肉の痙攣につれて無意識にしたたり落ちる涙にあたりはかすんで耳は早鐘の様になり...
宮本百合子 「悲しめる心」
...耳は絶えず早鐘のように鳴ったり...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...江戸市中は早鐘を打つとも知らずに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...さあ大変と早鐘やスリバンの響きに狼狽の体...
山本笑月 「明治世相百話」
...さすが強胆(ごうたん)な金吾も胸に早鐘をついていると...
吉川英治 「江戸三国志」
...恟々(きょうきょう)と早鐘(はやがね)をつくような胸が...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索