...なにしろ早足で廊下を通りなすったには相違ござりませぬ...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...そうして、戸口の方へ、早足で、つつうっと歩いて行く...
海野十三 「火星兵団」
...なんの苦もなささうに早足で歩いてをりますのにあきれて...
辻村もと子 「早春箋」
...まさしく芳一は非常に早足で歩いたのだ――その盲目な事を考えてみるとそれは不思議な事だ...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...一緒に荷車の鈴をちりんちりんと鳴らしながら勇ましく早足で進んでいきます...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...がんりきの百は得意の早足で...
中里介山 「大菩薩峠」
...女房を持ちそこねたという第一の不運は、残された子供をすててしまったという第二の不運となり、その不運と不幸をなぐさめるために、持ち前の早足で、諸方へあそびに出てみたのが、第三の横道を教えてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の早足で歩いてみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...「幽里子さん、左様(さよう)なら――貴女(あなた)の恋人と幸福に暮して下さい、左様なら」東野南次は、二階の病室のあたりへこの別れの言葉を投げると、少し早足で、屋上庭園の胸壁に近づいたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あちこちと早足で歩き廻り...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...早足で歩き、アルハンブラ賭博場に着いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...早足でせわしく息づかいながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...早足で無意識に眼もあげずに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...いままでよりかずっと早足で歩き出したのです...
室生犀星 「ゆめの話」
...私達はボツ/\生えた短い草の中を縱横(たてよこ)十文字に早足で探しはじめる...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...」早足で歩いて居る良人(をつと)は後(うしろ)を見返つて云つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そのくせ軒並みの家や人の多い所は無意識に早足で通ってしまい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...早足で俺の前を横切った...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
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