...最後のペテルスブルグ生活は到着早々病臥(びょうが)して碌々見物もしなかったらしいが...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...君は早々に出て行って呉れ」「買い受けただって?」今度は僕がびっくりして棒立ちになりました...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...引取ると早々、お駒婆さんは、二歳のラン子の奇異なる性質に驚かされた...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...颯つとお顔色を変へて拝受の御酒盃を懐にねぢこみ早々に退出なされるのを...
太宰治 「右大臣実朝」
...来年早々第三回目の人形の個展を開くためにずっと製作に熱中していて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お帰りになったら早々お目にかかりたいとのこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...富岡が帰つて来た早々に邦子が不思議さうに云つた事があつた...
林芙美子 「浮雲」
...何のありがたきことなく早々逃げ帰る...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...朝の電車の雑沓ぶりを帰る早々演じてみせたりしては姑や清子を笑わせたものだったが...
矢田津世子 「茶粥の記」
...来る早々からそんなぐあいで...
山本周五郎 「つばくろ」
...――玄徳、近ごろ天子に奏請して、南陽を攻め取らんと願い出ていると」「むム」「また、一方、玄徳が方へも、再度の勅使を立て――袁術、朝廷に対して、違勅の科(とが)あり、早々、兵を向けて南陽を討つべしと、詔を以て、命じます...
吉川英治 「三国志」
...「早々に還り給え」と...
吉川英治 「三国志」
...早々に兵を追い出して...
吉川英治 「私本太平記」
...高氏は、その着陣早々に、じぶんのほうから彼の陣を訪ねて行った...
吉川英治 「私本太平記」
...早々に起ちかけると...
吉川英治 「新書太閤記」
...早々、引っ返されよ……と申して来い」「承知仕りました」使番安養寺(あんようじ)猪之助は、馬に鞭をあてて、木之本の方へ急いだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...で、その夜のこと、一同のいる席で、「ここへ助けられて来て、早々にまた、わがままを申すようですが、どうしても自分はもいちど、世間へ行って来なければなりません...
吉川英治 「新・水滸伝」
...兵部から、その通知があったので、上野介父子(おやこ)は、すぐ新居へ身を移す事になったので、その一行は、旅の装いを解く間もなく、清水一学に従って、着府早々、今夜の任務に就き、そのまま松坂町へ止まるようにという旨を兵部から受けていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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