...来年になつたら早々にかへります...
伊藤野枝 「書簡 武部ツタ宛」
...引取ると早々、お駒婆さんは、二歳のラン子の奇異なる性質に驚かされた...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...正月早々書面を以て申上げることにしますが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...三月九日帰朝早々から風邪を引き...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...この時分になって、ようやくこの場へのさばり着いて、そうして、着くと早々、お角さんの方へいやな眼をつかって、キザな笑い方をしながら、またもその鼻っ先へ盆蓙(ぼんござ)を敷いてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...正月早々氣の毒だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...正月早々店を開きたいからと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...翌る朝早々と深川の島田町へ行くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...元日早々の御用初めは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五〇年早々米国のコリンス会社が政府の強力な補助金(年十万ポンド)をえて...
服部之総 「汽船が太平洋を横断するまで」
...お前さん蚊が喰ひますから早々(さつさつ)とお上りなされと妻も気をつくるに...
樋口一葉 「にごりえ」
...無分別が習(なら)いのイーストエンドはその日の割当水量を早々と使い果たし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...上京早々から父との約束はあてが外れてしまって...
山之口貘 「野宿」
...……八重はそのときまだ奉公に来て早々だったが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ひとつお慈悲をもって、夜明けまで、ここの岸辺にいることをお許し願いたいもので」こもごもに嘆願した上、船中から携えてきた南方の佳酒やら珍味を取り出して、まず番将へ賄賂(わいろ)すると、吟味もにわかに柔らいで、「――ではまず大目に見ておくがここは烽火台もある要塞地帯じゃ、夜明け早々、潯陽のほうへ船を移せよ」と、ある...
吉川英治 「三国志」
...二月早々に苔縄(こけなわ)の本城を進発し...
吉川英治 「私本太平記」
...お許(もと)にも、飯浦坂の堀切を捨て、早々、峰道を西へとり川並、足海(たるみ)峠のあたりまで、一気に兵を退(さ)げられよ」と警告していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...新年早々、お詫びするわけ...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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