...そこで己(おれ)が旨い事を案じついたて...
泉鏡花 「活人形」
...輕燒の道具を持つてゐる隣の家などでは「五十嵐さんは株か何かで旨い事しやはつたんやろ」と噂してゐた...
高濱虚子 「俳諧師」
...何か旨い儲(もう)け口ですか」謙作はそう云って魚軒を口にしながらその後で盃(さかずき)を持った...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...伊右衛門は不思議に思ってそっと又市に、「どうしたのでしょう」と云うと、又市は、「あいにく病気だと云うのですよ、でも大丈夫ですよ、すこし容貌(きりょう)はよくないが、縫物が上手で、手も旨いし、人柄は至極柔和だし」と云った...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...この作者はああいふところが旨いのだ...
田山録弥 「三月の創作」
...モウパツサンだの非常に心理描写の旨い人もあるが...
田山録弥 「小説新論」
...その他構図の旨い外国の作家は...
田山録弥 「小説新論」
...なるべく旨いものを食べさせようとたくらむんだが...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...全體に甘味が浸みこんでゐて大變旨いのださうである...
中島敦 「環礁」
...榎の實は旨いので砂糖の實といつて居た...
長塚節 「開業醫」
...「旨い事この上なしだ」とどてらが云ってる...
夏目漱石 「坑夫」
...正岡の絵は旨いじゃありませんかと云ったことがある...
夏目漱石 「子規の画」
...狭霧より灘住吉の灯を求め求め難きは求めざるかな何といふ旨い歌だ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...闇がほぐれるとは旨いことを云つたものだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...バナナも旨い...
正岡子規 「くだもの」
...旨(うま)い、実に旨い、雑煮がこんなに旨かったことは今までない...
正岡子規 「初夢」
...而してムベワてふ小鼠殊に旨いそうで...
南方熊楠 「十二支考」
...これは意外な、旨い成功だった...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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