...全く自ら筆を操る事が出来なくなってからの口授作(くじゅさく)にも少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証(はくいんぼうしょう)をして気焔を揚げておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...例えば『好』は偏が三劃で旁が三劃だから3 3という組合せになる...
江戸川乱歩 「黒手組」
...干戈天下に旁午せし戰國時代に...
大町桂月 「冬の榛名山」
...息休め旁下りて見ると...
鈴木三重吉 「金魚」
...崑をおこして自分の案(つくえ)の旁へ坐らした...
田中貢太郎 「青蛙神」
...それに、雪子のように兎角(とかく)胸にあることを発散させないで、じーッと内攻させているたちの人は、時々酒の相手でもさせて貰(もら)わなければいよいよ気分が滅入り込むであろうし、夫の方でもこう云う人を妻に持ったのでは、そんなことでもなかったら鬱陶(うっとう)しくて遣(や)り切れないであろうとも思えて、旁(かたがた)、下戸の夫を持った場合の雪子と云うものを想像すると、とても淋(さび)しい、気の毒な感じがしていたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...文化己巳來航和蘭人ヤンコツクブロムホフ其國語に通ずるに因て我譯家肇て彼言詞習得するを得たり辛未の春諳厄利亞興學小筌を譯述し我黨小子に援け外警に備ふ幸に九月言語集成譯編の命あり於斯彼言詞を纂集し旁和蘭陀佛蘭西の語に參考飜譯して遂に皇國の俗言に歸會して是に配するに漢字を以てす」云々...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...「あなたは明日はどうしてもポゴレーリツェフの家へ顏を出さなきゃいけませんね……お近づき旁々お禮にってわけですな――どうしてもね……...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...旁々伺ったような次第です...
豊島与志雄 「白血球」
...社旁(しやはう)に五重の石塔婆あり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...登畝旁山...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...依って偏旁(へんぼう)を分けて説明する...
森鴎外 「サフラン」
...旁(かたわら)国典にも通じていた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その旁(かたわら)にはまた一つのがらんとしたる堂あり...
柳田国男 「遠野物語」
...一つは警視総監の鼻を明かし旁々(かたがた)...
夢野久作 「暗黒公使」
...旁(かたがた)、どうかと思っていた質子を、かく早速伴って来た誠意に対しても、官兵衛の二心なきことを再認識して、大いに嘉(よみ)している風も窺(うかが)われる...
吉川英治 「黒田如水」
...旁(かたがた)憎むべき劉封...
吉川英治 「三国志」
...ここにその全文を併載しようかとも考えたが、何分にも、長文すぎるし、旁(かたがた)、どうしても、親切な註釈を伴わないでは、難解なふしもある...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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