...前にしるしたアルファベット平方図のそばに...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...雀こ欲うして歌った方図のわらわ...
太宰治 「雀こ」
...向うの方図で調子ばあわれに...
太宰治 「雀こ」
...したどもし、こちの方図では、やたら欲しくて歌ったとせえ...
太宰治 「雀こ」
...方図のしれないほど虚栄心が強く...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「方図(ほうず)のねえ馬鹿野郎だ」ポカポカと二つ三つ食(くら)わせてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方も無方図(むほうず)の出鱈目(でたらめ)を並べることになる...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな野方図が許されるわけのものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...快楽そのものが無方図に許される社会というものを見せつけられて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ちょうさん者ですよ」「ちょうさんてのは……」「つまり、百姓一揆(いっき)でござんすな」「あれがですか、あの男が百姓一揆なんですかね」「へえ、あれ一人が百姓一揆というわけじゃあございませんな――やっぱり一味ととうの一人なんでしてな」「あれが……」「左様でござんす、一味ととうのうちでも、ちょうさんを企てた最も罪の重い奴ですから、それであの通り、『晒し』にかかりました、明日あたりは打首という段取りでござんしょう」「冗談じゃあない――あれが、あの男が、この土地の百姓なんですか」「そうですなア、さればこそ、ああして『晒し』にかけられるんでげさあ」「嘘をお言いなさんな」あわただしい旅の男が、問答者を相手に気色(けしき)ばんで、「嘘をおっしゃるな、ありゃあ、この土地の者じゃありませんぜ、あの男は、この国の百姓じゃござんせんぜ」「でも農奴(のうやっこ)と書いてござんすぜ、捨札をごろうじろ」「何を書いてあるか知らねえが、あの男はこの土地の百姓じゃあねえ、大違(おおちげ)えだ」「お前さんの御親類かね」「ばかにしちゃあいけねえ、お前さんこそ、あの男が百姓だと頑張りなさるんなら、人別(にんべつ)を言ってごらんなさい、どこの何というお百姓さんだか、それを言ってごらんなさい」「そりゃ知りませんなア、わしゃ、やっぱり通りがかりの者でござんして、人別改め役じゃござんせんから」「じゃ、何と書いてあるか、読んでごらんなさい、所番地が何と書いてあるか、読んで聞かせておくんなさい」「それが、ただ農奴だけで、所も、番地も、名前も、記しちゃあござんせん」「そうらごらんなせえ、あんな百姓があるものか」「あれが百姓でないとおっしゃるお前さん、ではありゃ何者なんです、御承知なら聞かして下さい」今度は、たずねられた方から逆に反問と出かけられると、たずねた方が、やっぱり相当に昂奮して、「あの男は、ありゃあ、やっぱり旅の者なんだ、ついこの間まで江戸にいた男なんだ、それがお前さん、どうしてこの土地へ来て百姓一揆に加わる暇(ひま)があるもんか、人違いだあね、人違いだよ」「へえ――」「人違いで『晒(さら)し』にかかっちゃあたまらねえ、あいつもまた、そんならそのように何とか言えばいいじゃねえか」「江戸の方なんですか」「そうだとも、生れはどこか、よく知らねえが、ついこのじゅうまで永らく江戸に住んでいて、こちとらとも附合いがあるんだ、あいつが、どう間違って、江州(ごうしゅう)くんだりまで来て、百姓一揆に加担するなんて、物好きにも、人違いにも、方図があらあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを野方図にしないためには繋縛をして置かなければならないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...之は又野方図(のほうず)もなく長閑なすもうの遊び...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...出来そこないの冬瓜(とうがん)のような方図(ほうず)もない顎をぶらさげ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あんまり方図(ほうず)もなくのさばると...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...そうそうは方図が無いと思ッてどうしても遣らなかッたらネ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...意久地の無いにも方図(ほうず)が有ッたもンだ」もはやこう成ッては穏(おだやか)に収まりそうもない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...なぜかそうして満足し野方図(のほうず)にはしゃぎまわった...
本庄陸男 「白い壁」
...現に同嗜(どうし)の人津田繁二さんは「新校正孔方図鑑」と云ふ書を蔵してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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