...帽子も冠らぬ渠の頭を斜めに掠めて...
石川啄木 「病院の窓」
...拳銃をにぎった腕を斜めに曲げて胸のあたりをおおい...
梅崎春生 「日の果て」
...斜めに突きさされた真新しい奥様の卒塔婆(そとば)の前には...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...思い直したと見えて、それを脇差にはさんでしまい、体を斜めにして、傍(かた)えの木剣を引寄せて、今度来たならば一撃の下(もと)にと身構えしているとは知らず、三度目にこそこそと板の間の隅を走る鼠...
中里介山 「大菩薩峠」
...Kの斜め前には、まだ中央の棟(むね)にはあるのだが、向う側にある翼の棟がつながる角になっているところに、建物の入口があって、ドアもなく、開いたままになっていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...扉側の片隅(かたすみ)に戸棚(とだな)を二つ斜めに置くことができていたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...この図は左から斜めに出た小枝に鶺鴒(せきれい)が二羽飛び下りざまに止ったところを描いてあるだけで...
藤島武二 「画室の言葉」
...金髪の頭を少し斜めに傾けて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...これも障子ごと斜め下から突きを入れる...
三好十郎 「斬られの仙太」
...桂馬の斜めの飛び足のような迷点の連係となるから...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...斜めにバルザツク街(まち)へ入(はひ)つて行つた...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...よろこび斜めならずだった...
吉川英治 「三国志」
...道誉のごきげんも斜めならずと見えた頃からが...
吉川英治 「私本太平記」
...相手のすがたを斜めにかけて走ったと思うと...
吉川英治 「親鸞」
...調べの音が心にかなうとやや顔を斜めに上げて...
吉川英治 「親鸞」
...苦(にが)っぽい笑(え)みでお十夜の剣幕を斜めに冷視した...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――ポツ……ポツリ雨が斜めに落ちて来た...
吉川英治 「源頼朝」
...林の向うは斜め登りの畑になっているわけだ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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