...潰してならぬ家名を持たぬ身分であったら……」鳥居甲斐は幾度も幾度も長大息しました...
野村胡堂 「礫心中」
...すなわち「比(ヒ)」の類と「肥(ヒ)」の類と「斐(ヒ)」の類と...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...即座にお答え申しあげねばならぬ」甲斐守は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...村のあばらやの一室で花やかな長剣を振り翳しながら天国や地獄の夢を々と追ひまくつてゐるうちは甲斐々々しかつたが...
牧野信一 「鬼の門」
...折角話したこの話の甲斐もなくなつてしまふのです...
牧野信一 「海棠の家」
...夏も冬服を着てゐる三田公のやうな甲斐性無しと腐れあはうつていふのさ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...これは人間の生き甲斐というべきであろうと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...なおろうとあせっても甲斐なきこと・命を延ばそうとすればするだけ苦しみを長引かせ増すばかりであること・を経験したから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...甲斐はその言葉をもういちど繰り返すかのように...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...と甲斐ははねつけた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...宇乃(うの)をたのむと書いて、甲斐は筆を置き、読み返してから、それを巻いて封じた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...だが甲斐は、それには及ばないと制止し、近よっていって、男を頭から包んでいる下襲を、取ろうとした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐が聞いたのは...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...私は向うへゆくよ」「あとでいらしって」「今夜は丹三郎といてやると云ったろう」「では朝になってから」甲斐は頷き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...うらやましい生きかただ、と甲斐は思った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐は筆を置いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...うん、涌谷さまの出府で多用だから、門の通行は、平常より時刻が延びているのだ、と甲斐が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...或は亭主の甲斐性なしを齒掻ゆく思ふといふのもあらうし...
若山牧水 「一家」
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