...文学士と肩書の名刺と共に...
泉鏡花 「婦系図」
...駈出しの文学士では五十円の月給を取れない人がある...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...大学出身者中で文学士が最も気の毒な境涯にある...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...黒川先生御夫婦と鞠子さんを除いた四人の会員、熊浦氏と、園田文学士と、一寸法師の槌野君と、僕とが、応接室に集って、気拙(きまず)い顔を見合せていた...
江戸川乱歩 「悪霊」
...一面のS文学士とMとがやって来て...
相馬泰三 「六月」
...伝四は文学士になり候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...新しく校長となった文学士と...
豊島与志雄 「電車停留場」
...その道也先生がね――やっぱり君、文学士だぜ...
夏目漱石 「野分」
...文学士連中の名が行儀よく勢揃(せいぞろい)をしている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...神道を説く文学士の先生を...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...この英文学士は、かの有名な、“In Memorium”をこの時初めて眼にしたのである...
牧野信一 「鏡地獄」
...早稲田大学文学士といふ理由で常々彼等から絶大な信望を担うてゐたからである...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...などと問はれるのでさすがの文学士も返答に困るさうだ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...あの方は文学士で大学の助教もなさるそうだから...
三宅花圃 「藪の鶯」
...それに僕もお情けながら大学を卒業して文学士とか何とか肩書の付いてみれば国元のような片田舎(かたいなか)では鬼の首を取ったように思うのです...
村井弦斎 「食道楽」
...家も邸(やしき)も手広くして人出入さえ多き中に去年当家の若旦那が大学校を卒業されて文学士というエライお方になられたげなと評判隣村にまで広がりしより取分け人の訪(と)い来(く)る事多く主人夫婦は応接に遑(いとま)あらず「イヤこれは八兵衛(べえ)さんよくおいでだね」八兵衛「ヒエー...
村井弦斎 「食道楽」
...しかし文学士何の某(なにがし)というような名ばかりを振り廻すのが...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...新文学士諸家も、これと袂(たもと)を聯(つら)ねて文壇に立っている宙外等の諸家も、「エピゴノイ」たることを免れない...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
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