...彼女は話を敷衍して、結局何を言いたかったのかわからなくなった...
...敷衍な解説では理解できなかったので、もう一度聞き直した...
...この論文は敷衍な論理展開をしており、読んでいて疲れる...
...彼は敷衍な人柄で、細かいところまで気を遣ってくれる...
...その作家は非常に敷衍な描写で物語を進めるのが得意だ...
...これが後日他の人によって敷衍され発展されるようになったのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...この説(せつ)を敷衍(ふえん)して日本美術史(にほんびじゆつし)の劈頭(へきとう)にこれを高唱(かうしやう)したものであるが今日(こんにち)においても...
伊東忠太 「日本建築の發達と地震」
...或いはそれを敷衍(ふえん)し...
太宰治 「パンドラの匣」
...このような変痴奇論を敷衍(ふえん)して行くと実に途方もない妙な議論が色々生まれて来るらしい...
寺田寅彦 「変った話」
...彼の考えを敷衍(ふえん)して言えば...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...のち敷衍(ふえん)して『国民之友』に掲出する十回...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その敷衍である判断も亦構成性を有つことになるのが...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...見当違いな世界常識に基いてその解釈を敷衍するような科学者だろうからである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...も少し敷衍すれば...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...昔から傳へ來つた説を以てこれを敷衍する事は許されたが...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...謂はゞ其の全體は校讐通義の敷衍をしたやうなものでありまして...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...各其學派の學説の敷衍として視られたものである...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...持込が容易でない事と意識水準の低いために敷衍性のある啓蒙的作品が讀物の色どり...
槇本楠郎 「プロレタリア童謠の活用に關する覺書」
...こんな事から敷衍した物か...
南方熊楠 「十二支考」
...それぞれかつて実在した事蹟に拠って敷衍(ふえん)したものなれば...
南方熊楠 「十二支考」
...この意味をもっとあなたが敷衍(ふえん)して申し上げたらいいでしょう」と...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...カントが発狂の階梯だと恐れた夢を自身に検究する事に再び着目したるは、新約克のジユリウス、ネルソンJulius Nelson です、既に記録した夢の数は四千あつて、短いのは一語で写され、長いのには百語を費す、ネルソンは夢を区別して晩夢、夜夢、朝夢の三としたり、晩夢は疲労の日に継ぐもので、大抵日業の継続から悲壮的(トラーギシユ)の結末を示し――昼間氷の戯をなし夕にもこれを夢み遂に僵る――醒める時には筋肉の劇動をし又は叫喚す、夜夢は日間神経の刺衝興奮に継ぐ――火災の後に烟火の昇るを、点竄をなす後に難符号の出るを、聴楽の後に音響を夢みる――飲酒はこれを促す、朝夢は安眠の間に貧血になつて居たのが充血するの結果、その充血の少ない時には後で僅に夢を見たと思ふのみ、充血が多ければこれを記憶す、凡そ夢の中で面白いのは朝夢で平生忘れて仕舞た瑣末な事が思ひも掛けず浮き出し様々に変化せられ、敷衍せられ、走馬燈の如く、劇部の場面の如く、時間も空間も放縦自在となり、頃刻の間に数十年の事を瞥見するは独り邯鄲の枕に依る計りではなし、次にネルソンは夢記の単複で夢の劇易を測り、これを弧に作つて見たに二十八日毎に弧線が跳上する、二十八日は即ち太陰暦の月に当る、然し真の月輪満虧には関係せずネルソンは是れを以てハムモンドHammondの曾て信じた「男子月経」 Katamenia masculinaの明証と云へり...
森鴎外 「夢」
...小説化してそれを敷衍(ふえん)することにはぼくは氣乘りがしない...
吉川英治 「折々の記」
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