...手摺(てすり)から散る花びらをいづこの岸へ寄せるやら...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...散る花を悼(いた)む心も慌(あわただ)し四月二十一日 雉子郎を悼む...
高浜虚子 「六百句」
...大空をわたりゆく鳥へ寝ころんでゐる春たけた山の水を腹いつぱい・晴れきつて旗日の新国道がまつすぐ・けさも掘る音の筍持つてきてくれた・摘めば散る花の昼ふかい草・送電塔が山から山へかすむ山四月三十日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...・ここに咲いてこゝに散る花のしづか水の青さへ山のみどりがさかさまに山から町へ...
種田山頭火 「旅日記」
...昭和五〜八年 金沢第七聯隊在営期篇一九三〇〜一九三三年(二十一〜二十四歳)◆復活のつもりで入れる火消壺解剖の胡蝶の翅に散る花粉いずれ死ぬ身を壁に寄せかける鉄骨の伸びる打鋲の遠ひびき恩給のつく頃部長の粉煙草註・一九八七年九月七日『北陸中日新聞』朝刊掲載・一叩人「一片の反古紙に直筆/反戦川柳作家鶴彬の作品発見」文中の作品...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
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鶴彬 「鶴彬全川柳」
...落ち散る花を笹の枝に貫いて戦遊(いくさあそ)びの陣屋を飾った...
寺田寅彦 「森の絵」
...散る花もろとも常磐木の落葉をかけば時ならぬ秋の夕のさびしさに色なき月は空にあり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...花の植物生理的機能を学んで後に初めて十分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることも出来るであろう」と書かれている...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...空に吹き散る花粉や胞子の如きものの中に...
中谷宇吉郎 「民族的記憶の名残」
...散る花お別れしましヨと散る花は心で泣いてゐたでせう泣きませぬよと言ふけれど涙でうるんで居りました泣いて別れた花ならば可哀想ではないでしヨかどうせ一度は別れねばならぬ二人でありましヨが...
野口雨情 「別後」
...この一輪の散る花を...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...空に吹き散る花粉や胞子のごときものの中に...
柳田国男 「木綿以前の事」
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横瀬夜雨 「花守」
...ひとり黙然と散る花に見恍(みと)れている将があった...
吉川英治 「私本太平記」
...散る花もない冬の末...
吉川英治 「宮本武蔵」
...散る花などの印象が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...散る花を悲しむ心さえも概念的な空虚なものになっている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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