...ひら/\と散る花片...
大町桂月 「小金井の櫻」
...山火事の天を焦(こが)して霜赤し蒼苔低く飛ぶ星あり今宵霜降らん東雲鶺鴒(せきれい)の尾にぞ霰(あられ)のはじかれし蒼苔橋に来てまたはら/\と霰散る花牛堂大いなる霰ころがりて縁に消えざる虚子玉霰忽(たちま)ち来り忽ち歇(や)む楽天京に入つて霰に笠を叩かれつ不迷物思ふ窓を霰に叩かれき不染あられうつ石峨々(がが)として水急なり霜磧こんな類(たぐい)であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...―――平安神宮にて花の散るを見てゆく春の名残惜しさに散る花を袂のうちに秘めておかまし彼女はそれを夫の歌のあとの余白へ鉛筆で書き添えて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...・ここに咲いてこゝに散る花のしづか水の青さへ山のみどりがさかさまに山から町へ...
種田山頭火 「旅日記」
...昭和五〜八年 金沢第七聯隊在営期篇一九三〇〜一九三三年(二十一〜二十四歳)◆復活のつもりで入れる火消壺解剖の胡蝶の翅に散る花粉いずれ死ぬ身を壁に寄せかける鉄骨の伸びる打鋲の遠ひびき恩給のつく頃部長の粉煙草註・一九八七年九月七日『北陸中日新聞』朝刊掲載・一叩人「一片の反古紙に直筆/反戦川柳作家鶴彬の作品発見」文中の作品...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...落ち散る花を笹の枝に貫いて戦遊(いくさあそ)びの陣屋を飾った...
寺田寅彦 「森の絵」
...いづれも唯(ただ)美し艶(なまめか)しといはんよりはあたかも入相(いりあい)の鐘に賤心(しずこころ)なく散る花を見る如き一味(いちみ)の淡き哀愁を感ずべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...彼の僧は春が來れば茫然として開いて散る花を眺め...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...どういう訳(わけ)か人の道を忘れた放蕩惰弱(ほうとうだじゃく)なものの厭(いとわ)しい身の末が入相(いりあい)の鐘に散る花かとばかり美しく思われて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...花の植物生理的機能を学んで後に初めて十分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることも出来るであろう」と書かれている...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...散る花の音聞く程の深山(みやま)かな 心敬深山の静かさを現さんとて花といふ美しき材料を用ゐたるは...
正岡子規 「俳句の初歩」
...空に吹き散る花粉や胞子のごときものの中に...
柳田国男 「木綿以前の事」
......
横瀬夜雨 「花守」
...ただ散る花のゆるい運動が怪奇美な光を舞わせているのみであります...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひとり黙然と散る花に見恍(みと)れている将があった...
吉川英治 「私本太平記」
...然し、お健(すこや)かの態(てい)、何よりでござる』『あなた様にも――』と、源五右衛門は畳へついた儘でいる手を忘れて――『こうして、変らぬお姿を見ておりますると、あの折の黄昏(たそがれ)の庭明りや、散る花や、眼に泛(うか)び出て……』『伝八郎も、御同様に思う...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...散る花もない冬の末...
吉川英治 「宮本武蔵」
...春上)木伝へばおのが羽風に散る花を誰におほせてこゝら鳴くらむ (素性...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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