...『岸の山吹咲き亂れ』とか『汀の櫻散り敷きて』とか『青柳絲を亂し』とかある晩春初夏の景色は此落寞たる雪の中で固より想像することは出來ぬ...
高濱虚子 「俳諧師」
...・うなりつつ大きな蜂がきてもひつそり・ひなた散りそめし葉の二三枚・酔ひのさめゆく蕎麦の花しろし・柿一つ...
種田山頭火 「其中日記」
...柿の葉が散りしいてゐる風景はわるくない...
種田山頭火 「其中日記」
...そうして花の散り終わるまでにはもう大きな葉がいっぱいに密集してしまう...
寺田寅彦 「柿の種」
...私の母はこの最後のフェーズを「散り菊」と名づけていた...
寺田寅彦 「備忘録」
...散りしいた木の葉にまじって翅(はね)のはえたいたやの種子が落ちていた...
中勘助 「島守」
...その一部は下へまた散り落ち始め...
永井隆 「長崎の鐘」
...散ります散りますと来やがる...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...散ります」野幇間(のだいこ)を稼業のようにしている巴屋(ともえや)七平は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空は鶴の白い羽がとび散り...
宮原晃一郎 「子良の昇天」
...偉大なる脛(すね)の骨などが落ち散り...
柳田国男 「山の人生」
...風無くて木(こ)の葉は散りぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...やがて、その人たちも、みな散り去って、土饅頭(どまんじゅう)のまえには、もうたった一人の男しか額(ぬか)ずいていなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...尼長屋の人々もどこぞへ散り去ったかもわかりません...
吉川英治 「私本太平記」
...この日も雪は梨の花と散りまがい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...秋づきしもののけはひにひとのいふ土用なかばの風は吹くなりうす青みさしわたりたる土用明けの日ざしは深し窓下の草に園の花つぎつぎに秋に咲き移るこのごろの日の靜けかりけり畑なかの小路を行くとゆくりなく見つつかなしき天の河かもうるほふとおもへる衣(きぬ)の裾かけてほこりはあがる月夜の路に野末なる三島の町のあげ花火月夜のそらに散りて消ゆなり...
若山牧水 「樹木とその葉」
...昨今頻りに散り溜りつゝある眞新しい落葉をざく/\と踏みながら...
若山牧水 「樹木とその葉」
...野末なる三島の町の揚花火月夜の空に散りて消ゆなりうるほふとおもへる衣(きぬ)の裾かけてほこりはあがる月夜の路に天の川さやけく澄みぬ小夜更けてさし昇る月の影は見えつつ路ばたの木槿(もくげ)は馬に喰はれけり (芭蕉)この句は私の大好きな句である...
若山牧水 「樹木とその葉」
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