...私はここで敢えて主義者の見地を裁断しようとも思わないし...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...神は嘗(かつ)て犠牲を払い献身を敢えてしたか(基督(キリスト)教徒はここで基督の生涯を引照するだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...この事を敢えて本格的科学者の一団に向い...
海野十三 「『地球盗難』の作者の言葉」
...敢えて彼と行動を共にする必要はない」また曰く「田中は選挙民に諂(へつら)うために絶叫するだけのことだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それを敢えてしなかったし...
太宰治 「春の盗賊」
...そして大多数の者は敢えて最もすぐれた説を攻撃することによって...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...敢えて夢のあやを読みとろうとする欲望を捨てないことは...
中井正一 「機構への挑戦」
...敢えて診療して巧みでない治療で患者を殺したら...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...唐冠よとていまだ戦わざる先に敗して敢えて向い近付く者なし...
南方熊楠 「十二支考」
...仙太郎も敢えてそれを拒まず...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...いま聞く東湖の説も敢えて異とするに足らぬかも知れぬ...
山本周五郎 「新潮記」
...よく大胆にこの冒険が敢えて出来たと思えるのだった...
吉川英治 「剣難女難」
...この、怖るべき真蔭流の太刀味は、すでに桔梗河原の時に、骨身にまで舐めさせられている玄蕃は、敢えて逆らわず、ぽんと、一、二間飛び退きながら、「む!」柄糸へ精魂しぼって、構え直した...
吉川英治 「剣難女難」
...みな敢えて服さない色を示していた...
吉川英治 「三国志」
...後の人が考えるような至難や無謀を敢えてしているものではなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...自説を固持して敢えて服する色もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...敢えて昨非の罪を...
吉川英治 「新書太閤記」
...敢えて、勝負ばかりを事としたり、虚名を追ったり、旅銭と称する合力(ごうりき)など求めて歩く類(たぐい)の者と、同視されたくないのでいうが――」と、綾部大機(あやべだいき)は、柳生(やぎゅう)の門に立った最初に、まず広言をはらって、「――音に聞ゆる将軍家流の但馬守(たじまのかみ)どの在宅なれば、一手、衆生(しゅじょう)のために布教なさると思うて、立合っていただきたい...
吉川英治 「柳生月影抄」
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