...さる人に救はれる迄は定まれる宿とてもなかつた位...
石川啄木 「雲は天才である」
...彼の救い主の黒衣婦人が恐ろしくなった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...いわばわれわれを救うために赤貧洗うごとき境遇に陥り...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...老師の魂が荒(すさ)んだ自分の魂を救つて呉れるやうにすらかれは思つた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...今黒舟の中に導き我救へ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それが自分を救う唯一の途のように考えられた...
豊島与志雄 「反抗」
...そしてどうしてもパシエンカが自分の救の端緒になりさうに思はれるのである...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...主人の危急を救わんとして狂犬にさせられてしまったのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...三千代を救おうかと云う成案はなかった...
夏目漱石 「それから」
...稀代の麗人を救い出そうとして...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...この苦さのために救はれたことが何度かあるんだから...
平山千代子 「転校」
...大きな扉(ドア)に乗って波の上を漂っている処を奇蹟的に救助された...
牧逸馬 「運命のSOS」
...弥陀の本願はかかる罪深き人間の救済であることを聞信している...
三木清 「親鸞」
...そして誰も救を求むる子供の聲に耳を藉(か)す者がない...
水野仙子 「輝ける朝」
...さては我命を救うたこの犬は無上の財宝と知って狗を伴れて家に帰った...
南方熊楠 「十二支考」
...風の便(たよ)りででも自分の哀れな生活が源氏の耳にはいればきっと救ってくれるに違いないと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...潰(つぶ)れかかった木場の店を二度も救われたことがあり...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...こう眼が曇っては救われぬ...
吉川英治 「三国志」
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