...徳富蘇峰(とくとみそほう)は『将来之日本』を挈(ひっさ)げて故山から上って帝都の論壇に突入し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...余は帰るに故山なく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...こゝに病躯(びやうく)を故山にとゞめて山河の契りをはたさむとは...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...二十八歳の休職士官が失意失恋故山に悶死(もんし)するまで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...風に臨んで故山を眺め泣かんと欲するも...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...この度京都の再遊はわたしをして恰も老夫の故山に歸臥したるが如き安慰を感ぜしめた...
永井荷風 「十年振」
...故山(こざん)に還(かえ)る時一句を残して曰く行春(ゆくはる)の富士も拝まんわかれかな蘇山人湖南の官衙(かんが)にあること歳余(さいよ)病(やまい)を得て再び日本に来遊し幾何(いくばく)もなくして赤坂(あかさか)一(ひと)ツ木(ぎ)の寓居に歿した...
永井荷風 「日和下駄」
...故山県(やまがた)老公もまた若くて...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...おそらく獅子の遠吠えが聞えたといふジヤングルに天幕の夢を結んでも、大鯨を獲り逃して残恨の胸を叩きながら酒場に酔ひ潰れても、おゝ、あれらの故山の、あれらの山々がそうしてゐる間にも刻々と切り崩づされるに随つて金貨を積んだ橇の音が次第々々に近づいて来てゐるのだといふ素晴しい夢に誘はれてゐたのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...余は二度と故山の土を踏まざる考へを胸底深く秘め居れども子を思ふと決心も危ふし...
牧野信一 「サフランの花」
...山茶の朽木夜光る故山茶を化物という(『嬉遊笑覧』十下)のも...
南方熊楠 「十二支考」
...山伏祈れば犬吠えかかり咬み付かんとする故山伏の負けと決する...
南方熊楠 「十二支考」
...十万円ある家へ何故山崎の東京にいる娘が嫁入らないか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それを故山に迎え取って安らかな眠りに就かせようとした...
柳田国男 「故郷七十年」
...ゆえにもしかくのごとき地名と苗字の関係によってほぼ祖先の生活根拠の故山(こざん)を知ることを得...
柳田國男 「地名の研究」
...空しく故山に帰らしめ...
吉川英治 「三国志」
...故山で信仰と勉学にいそしみたいと思いますが」とか...
吉川英治 「親鸞」
...自分を容(い)れない故山に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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