...秋を兼ぬるの別意涙に故山の樹葉を染め...
石川啄木 「閑天地」
...余は帰るに故山なく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...彼は立(た)ち処(どころ)に故山(こざん)に帰り...
海野十三 「西湖の屍人」
...これ明治三十五年に故山階宮菊磨王殿下の設立し給へる所...
大町桂月 「秋の筑波山」
...故山を遠く後にしてあなた*アルゴス空(そら)の下(もと)...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...二十八歳の休職士官が失意失恋故山に悶死(もんし)するまで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...恩人乃木将軍が其名を書いてくれた墓碣(ぼかつ)が故山に建てられた明治四十二年十二月小説寄生木が世に出た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...いくばくもなく官を退いた後は、故山(こざん)、略(かくりゃく)に帰臥(きが)し、人と交(まじわり)を絶って、ひたすら詩作に耽(ふけ)った...
中島敦 「山月記」
...おそらく獅子の遠吠えが聞えたといふジヤングルに天幕の夢を結んでも、大鯨を獲り逃して残恨の胸を叩きながら酒場に酔ひ潰れても、おゝ、あれらの故山の、あれらの山々がそうしてゐる間にも刻々と切り崩づされるに随つて金貨を積んだ橇の音が次第々々に近づいて来てゐるのだといふ素晴しい夢に誘はれてゐたのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...余は二度と故山の土を踏まざる考へを胸底深く秘め居れども子を思ふと決心も危ふし...
牧野信一 「サフランの花」
...山伏祈れば犬吠えかかり咬み付かんとする故山伏の負けと決する...
南方熊楠 「十二支考」
...別れの馬車の鈴の音(ネ)がつらい心をまたせめる日暮峠でみかへれば山が霞んで遠くなる寒い夜風に町の灯が悲しく遠くゆれてゐる馬車の窓から故山(ヤマ)見れば空にほんのりおぼろ月(四・十二)...
森川義信 「別れ」
...ゆえにもしかくのごとき地名と苗字の関係によってほぼ祖先の生活根拠の故山(こざん)を知ることを得...
柳田國男 「地名の研究」
...むなしく故山(こざん)に御帰臥(ごきが)とやらを……...
吉川英治 「私本太平記」
...故山(こざん)へ送り還(かえ)されて来た...
吉川英治 「新・水滸伝」
...故山で信仰と勉学にいそしみたいと思いますが」とか...
吉川英治 「親鸞」
...敗旗を巻いて故山に帰るつかれた兵馬のように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分を容(い)れない故山に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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