...凡てが表象と形象との姿を現はして中心を爭ふが故に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...現實は理想と矛盾するが故に刻々に高められる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...夫れ故に脳は悪くなり候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...六十七年といふ生理の故に今ではよほどらくだと思ふ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...この回避的な右翼的日和見主義の故に...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...故に若し黨派の利害と國家の利害と兩立せざる場合に於いては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...妻でありすぎる故に原因している...
直木三十五 「大阪を歩く」
...相当の歴史をもっておりまする故に...
中里介山 「大菩薩峠」
...而してそれが矛盾的自己同一なるが故に...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...「日本国民の悠久知るべからざる太古時代より相伝えたる信念は、我国民は、同一種族にして、其の総本家たる皇室を以て、君主と戴き、別家分家、数多に別れて、各一部族を為し、其の族長を奉ずるも、各族長は、共に皇室を中心として、君臣の義を弁ずるが故に、其の関係は、極めて濃厚なり、此を以て、皇室と人民とは、宗支父子の縁故ある上に、君臣主従の義を兼ねたるものなりと信じ居れり、再言すれば、日本国民は、悉く皆な皇室の本たる神の子孫にして、一家族の集りなり、而して其の政体は父権政治なり、故に人民は、皇室に対しては、絶対に服従の義務あるものなりと信ずるなり、之を国体の因りて以て基く所の本義となす...
蜷川新 「天皇」
...何故今彼は身にふりかゝつた暴力や裏切りの行爲に對してこんなにおとなしいのだらう? 何故彼はロチスター氏が強ひた緘默にこんなに靜かに服從してゐるのだらう? 一體何故にロチスター氏はこの緘默を強ひたのか...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...(この場合において基は鬼事(おにごと)のおかのごとし)故に走者はなるべく球の自己に遠かる時を見て疾走(しっそう)して線を通過すべし...
正岡子規 「ベースボール」
...この辯證法的統一の故に...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...故にスペインで不従順な馬を懲らすに荘厳なる頭飾と鈴を取り上げ他の馬に徙(うつ)し付けると...
南方熊楠 「十二支考」
...故に夫婦慎むところの夜なり〉といった通り信ずるに及んだのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...(c)実にこの故にこそ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...また地に匍匐(ほふく)している敵の数も残らず読めた――かるが故に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――故に、(もそっと、鷹揚(おうよう)に、重々しゅう、お構えなさればよいに)と、望むのであった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索