...故にそれは現實を如實に映出すること――記憶と同樣の意味に於いて現在の状態を寫眞に撮つて置くことのみを以つて滿足することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...故に資本は決して個人的の力でなく...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...何故に樹の実を食いしは...
高木敏雄 「比較神話学」
...前述の如く海老瀬村ハ吾谷中村と同一堤内に在るが故に...
田中正造 「非常歎願書」
...かるが故に、もし諸賢においてこの書物に對しまして、まづ第一に、それが諸賢によつて訂正せられますやうに、――すなはち、單に私の人間的な弱さのみでなく、何よりもまた私の無知を想起いたしまして、この書物の中に何等の誤謬も存しないと私は確信いたしませぬ...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...故に吾々は、代表的真理の概念の下に、普通そうされるように真理の理念を理解すべきではなく、却って常に例外なく、何等か特殊な真理内容をのみ理解しなければならないのである...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...制作・創造・の活動をするが故に...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...処が実際は卓越した常識とはそうした平均値的常識を遙かに抜いているが故にこそ卓越しているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...恵まれない人でございます……衆生(しゅじょう)病むが故に我も病む...
中里介山 「大菩薩峠」
...故に宗教的情操の本質は...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...それ故にまた一層メランコリックな美しさをました面差を振り向け...
久生十蘭 「魔都」
...それ故に、私たちは、今日の階級的文学が闘争を生命とする事実を否認するために文学の目的は闘争でないといふ独断論をつくり出す必要もなければ、またこれを是認するために、文学はそも/\闘争的であつたといふ牽強附会な理論を急造する必要もないのである...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...故に秋風やと置けり...
正岡子規 「俳諧大要」
...なるほどこの日が女に取って最も名誉ある記念すべき日なる故に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それ故にまた信州北部から越後頸城(くびき)地方にかけてこれをドコドコグサといい...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...或いは彼らの感覚的作物に対する貶称意味が感覚の外面的糊塗なるが故に感覚派の作物は無価値であると云うならば...
横光利一 「新感覚論」
...故に、彼を向けて、西平関を守らせ、機に臨み、変に応じて、胡夷の勢をよく馴致(じゅんち)するときは、この一路の守りは、決して憂うるに足りません」また二路の防ぎに対しては、さらに説いて、「由来、南蛮の将兵は、猛なりといえども、進取の気はうすく、猜疑(さいぎ)ふかく、喧騒(けんそう)多く、智をもって計るに陥(おちい)りやすい弱点をもっています...
吉川英治 「三国志」
...――故にです...
吉川英治 「宮本武蔵」
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