...二匹の犬のほうがかえって彼女の愛情を攫(さら)ってしまうのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...他の一部は一攫(いっかく)万金を夢みて...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...強く深く眞理を攫んで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...よく攫徒仲間が遣ると云う...
泉鏡花 「婦系図」
...五両なり十両なりそれを残らず引攫(ひつさら)つて飛出して...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...攫取(かくしゅ)するにあるのみ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...どれ程(ほど)樫(かし)の柄(え)を攫(つか)んでも決(けつ)して肉刺(まめ)を生(しやう)ずべき手(て)でないことを明(あきら)かに示(しめ)して居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...それでも肩のあたりを攫へて突き倒されるやうな感じのする水の勢である...
長塚節 「松蟲草」
...巌越す波に攫はれぬ様にかうするのだらうと思ひつゝ絶えず然かもゆつたりと波を避けつゝある其様子を見乍ら暫く立つて居た...
長塚節 「隣室の客」
...ああいう先生は「一度鼻を攫んでぐいとねじり上げて置かないと癖になる」といわれたのは...
中谷宇吉郎 「長岡と寺田」
...自分を攫(さら)ひに来(く)るのを待つ積(つもり)であつた...
夏目漱石 「それから」
...家の中にまで入りこんで女子供を攫(さら)い...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ちょいと手に攫(つか)めると云う為事で...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...どうして攫まへたのか...
森鴎外 「金貨」
...そんなにひどくお攫(つかみ)なすっちゃあ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...逃げ出すような臆病者は後髪を攫(つか)んで引き戻して遣る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...若い一人の土人が魔神に攫(つか)まれて...
柳田国男 「山の人生」
...引(ひ)ッ攫(さら)うように...
吉川英治 「私本太平記」
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