...敵を衝く飢鷹の餌を攫むが如くなる...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...信吾の肩を攫(つか)んだ...
石川啄木 「鳥影」
...攫徒は、その時の事を恩にして、警察では、知らない間に袂(たもと)へ入れて置いて逆捩(さかねじ)を食わしたように云ってくれたけれど、その実は、知っていて攫徒の手から紙入を受取ってやったんだ...
泉鏡花 「婦系図」
...今は五歳で競馬のあるたびに賞品をみんな攫って来るんで...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...昔は天狗が人を攫(さら)って来ては掛けたので...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...これはむろん攫(つか)む工合いにもよりけりであるが...
新渡戸稲造 「自警録」
...その妻子を閃光(せんこう)で攫(さら)われた男は晴着を飾る新妻(にいづま)を伴って歩いていた...
原民喜 「火の唇」
...……そいつを横あいから掻(か)ッ攫(さら)ったやつがある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...一方には今朝の九時ごろ王様が日比谷公園から何者かのために攫われてどこかへ持って行かれたという事実があり...
久生十蘭 「魔都」
...それで私を攫ってどうしようというんです...
久生十蘭 「魔都」
...攫者(キャッチャー)は後(一)にありてその球を止めこれを投者(ピッチャー)に投げ返す...
正岡子規 「ベースボール」
...左の手に片袖を攫(つか)み...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...前の女の人の肩を攫まへて又...
横光利一 「悲しめる顔」
...彼女を攫(さら)ッて...
吉川英治 「私本太平記」
...こちらの声も宙へ攫(さら)われてしまうし...
吉川英治 「新書太閤記」
...攫(さら)われて行ったのも...
吉川英治 「平の将門」
...生そのものゝ真実を攫まうとする私の理智とが絶えず相剋して...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
...時もあろうに白昼どこともなく引攫われてしまった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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