...私の見る處では所謂表現派の代表者フアン・ゴーホの如きも實によく自然の心を攫み...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...水に攫(さら)われるような憂(うれい)はない...
泉鏡花 「浮舟」
...それの片足を攫(つか)んでブラ提(さ)げながら...
江見水蔭 「備前天一坊」
...もの好きな詩人はいきなり手を伸ばしてそれをひつ攫(さら)へ...
薄田泣菫 「独楽園」
...彼(かれ)はそれから大籠(おほかご)の落葉(おちば)を攫(つか)み出(だ)して茶釜(ちやがま)の下(した)に突込(つゝこ)んだ...
長塚節 「土」
...ある時私は突然彼の襟頸(えりくび)を後ろからぐいと攫(つか)みました...
夏目漱石 「こころ」
...勘定もせずに攫(つか)んで...
夏目漱石 「それから」
...斯(か)う鷲攫(わしづかみ)に纏めて観察した時...
夏目漱石 「点頭録」
...固(かた)く骨(ほね)の角(かど)を攫(つか)んだ...
夏目漱石 「門」
...引攫つて肩に引つ擔ぎました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...廃帝の私物を平気で攫って行ったり...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...吾知らず大皿のジヤガ芋を攫んで立ちあがる...
牧野信一 「円卓子での話」
...體中がぞく/\するやうに擽(くすぐ)ツたくなる………何か引(ひ)ツ攫(つか)むでもしやくしやにして見たい...
三島霜川 「平民の娘」
...米国住黒人の談に昔青橿鳥その長子を鷹に攫(つか)み去られ追踪すれど見当らず憊(つか)れて野に臥す...
南方熊楠 「十二支考」
...己の裾に攫まれ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一人の使部の首を攫(つか)んで床の上へ投げつけた...
横光利一 「日輪」
...そこの行燈(あんどん)の灯が見事に攫(さら)われました...
吉川英治 「江戸三国志」
...眉目(みめ)のよい女官を攫(さら)って逃げ去ったという椿事(ちんじ)まであった...
吉川英治 「親鸞」
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