...矢を射る如く來りて攫(つか)みたるなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...菊池君は兩手に膝頭を攫(つか)んで...
石川啄木 「菊池君」
...宛然(まるで)鷲が黄鳥(うぐひす)でも攫(つかま)へた樣に...
石川啄木 「二筋の血」
...山のような大波に攫(さら)われて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...海嘯(つなみ)に攫(さら)われて行きたいとか...
夏目漱石 「行人」
...無を無として單純に攫まうとする働きは却つてそれを有として存在としてのみ手中に收め得るのである(三)...
波多野精一 「時と永遠」
...その儘引抜かれて空に攫はれて行く数多の樹木があつた...
原民喜 「夏の花」
...それで私を攫ってどうしようというんです...
久生十蘭 「魔都」
...遠く沖に攫い出されて...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...それにしても西岡の鷲攫みの力が堅くて...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...短遮等より投げたる球を攫み得て第一基を踏(ふ)むこと(もしくは身体(からだ)の一部を触(ふ)るること)走者より早くば走者は除外となるなり...
正岡子規 「ベースボール」
...攫まえられた袖を払って...
森鴎外 「心中」
...4590わたくしを攫まえて縛りましたわ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...吾輩なんかは乞食以下の掻攫(かっさら)いルンペンと誤解されている世界的偉人だ……と云ってやりたかったが...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...そんな事とは知らない吾輩が攫って大学校の博士の卵に売飛ばしたバッカリに...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...傍を通る少女を一人一人攫へてキツスしてやらうかと考へた...
横光利一 「父」
...一人の使部の首を攫(つか)んで床の上へ投げつけた...
横光利一 「日輪」
...これだけ掻(か)っ攫(さら)ってきたんで」「ばか野郎っ」呆っ気にとられた子分の顔を見すえて...
吉川英治 「親鸞」
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