...独り其角が妙に擽(くすぐ)つたい顔をしてゐたのは...
芥川龍之介 「枯野抄」
...乳の下を擽(くすぐ)って...
泉鏡花 「薄紅梅」
...何とも云えぬ甘い香が私の心を擽ぐって眼の前に紅い霞がちら/\する...
谷崎潤一郎 「少年」
...舞踏靴(をどりぐつ)の踵(かゝと)で澤山(たんと)無感覺(むかんかく)な燈心草(とうしんぐさ)を擽(こそぐ)ったがよい...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...女に家をもたせたりして納まっている自分を擽(くすぐ)ったく思い...
徳田秋声 「縮図」
...変に擽(くすぐっ)たく...
戸田豊子 「歩む」
...へツ」八五郎は何んとも形容のしやうのない擽(くす)ぐつたい顏をして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何処かを擽(くす)ぐってでも居そうな顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎は擽(くすぐ)ったく囁きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...此んな擽りばかりやってゐては...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...……それはさうと妾は擽つたくつて仕方がない...
牧野信一 「痴酔記」
...私は体ぢうを狐の尻尾よりも気味悪いムカデの触手をもつて擽られるおもひであつた...
牧野信一 「剥製」
...羽毛の先で擽られるやうでもあり...
牧野信一 「昔の歌留多」
...女の脚のあたりを擽る度に放つ馬鹿/\しいわらひ声のようでもあつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...擽(くすぐ)つたい何ものかゞ聞きとれると白状しないではをられない...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...もっと強い烈しい秘密な擽(くす)ぐったいような快さが...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...初めはとても擽(くすぐ)ったくて我慢できなかったが...
山本周五郎 「柳橋物語」
...すると奥で擽(くすぐ)られたようにクックッ笑う声がするので...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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