...村近(むらぢか)だけに足(あし)のうらが擽(くすぐつた)い...
泉鏡太郎 「一席話」
...草鞋(わらじ)も脚絆(きゃはん)も擽(くすぐ)ってえ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...二人は柔かい牡丹刷毛(ぼたんばけ)で腋(わき)の下を擽(くす)ぐるやうなお上手ばかり言ひ合つて...
薄田泣菫 「茶話」
...貞子の腋の下を緩くり擽り初める...
外村繁 「澪標」
...感情の機微を擽られた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...あなたはいつも擽ったいような表情をしますね...
豊島与志雄 「未亡人」
...この擽ったいというやつは...
豊島与志雄 「未亡人」
...松(まつ)の木(き)からはみんみん蝉(ぜみ)の樣(やう)な松蝉(まつぜみ)の聲(こゑ)が擽(くすぐ)つたい程(ほど)人(ひと)の鼓膜(こまく)に輕(かる)く響(ひゞ)いて凡(すべ)ての心(こゝろ)を衝動(しようどう)する...
長塚節 「土」
...利助は何となく擽(くすぐ)ったい心持になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「いえ」千代松は妙に擽(くすぐ)ったく頭を振りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...魚に似たる手をもつて私の哀傷を擽つてくれ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...耳の中がムヅムヅと擽つたくつて擽つたくつて……いやはや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...自分に自分が擽られた気がして思はず退儀な苦笑を洩した...
牧野信一 「蝉」
...自分で自分を擽るやうな思ひがして...
牧野信一 「地球儀」
...彼の馬鹿さ加減に擽られて堪らぬらしく...
牧野信一 「父を売る子」
...或ひは擽り殺してやりたいやうな衝動に駆られるといふことだつた...
牧野信一 「沼辺より」
...羽毛の先で擽られるやうでもあり...
牧野信一 「昔の歌留多」
...人間が擽られて笑ふところを...
正岡容 「初代桂春団治研究」
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