...赤児を可愛がる処女には男の心を擽る様な点(ところ)がある...
石川啄木 「札幌」
...私がやったのじゃありませんぜ」「ナニ……君だと云やしないよ」刑事は擽(くすぐ)ったそうに苦笑した...
海野十三 「疑問の金塊」
...擽(くすぐ)った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...何が可笑しいのか』夜もすがら眠り得ぬ者は不幸だ彼は病んで居る他界の人のやうに幸福に擽られて居る露骨な笑ひを聞き乍ら涙の浮んだ眼を見開いて居る...
千家元麿 「自分は見た」
...皮肉なような擽ったいような笑顔で...
豊島与志雄 「川端柳」
...」「擽ったい……なるほど君はいい言葉を使いますね...
豊島与志雄 「微笑」
...痛さと痒さと擽ったさのどれかを我慢してるものが在るわけである...
豊島与志雄 「文学以前」
...あなたは猫を擽ってみたことがありますね...
豊島与志雄 「未亡人」
...少しも擽ったがる様子は見えなかったでしょう...
豊島与志雄 「未亡人」
...お徳に擽(くす)ぐられるやうな目に逢はされて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あっしに解る道理がないじゃありませんか」「どう致しまして」二人は顔を見合せて擽(くすぐ)ったく笑いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まるで耳の後ろをそっと擽(くすぐ)られる時の猫のように...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...擽(くす)ぐるのは御免だ...
広津柳浪 「今戸心中」
...擽り殺すといふ物語だつた...
牧野信一 「剥製」
...女の脚のあたりを擽る度に放つ馬鹿/\しいわらひ声のようでもあつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...だが、それは両方とも私にとつて、擽つたい、むしろ迷惑な話しで、なまじい、色眼鏡をもつて見られる事は、心苦しい次第である...
溝口健二 「日本趣味映画」
...「可笑しみたっぷり」という擽(くすぐ)りは...
宮本百合子 「印象」
...そんなようすを見るとおせんは擽(くすぐ)られるような...
山本周五郎 「柳橋物語」
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