...併し人の努力は社會の全面に擴がらむとする方向と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...諸手(もろて)を擴げて海を抱いた七里の砂濱には...
石川啄木 「漂泊」
...颯(さつ)と一條(ひとすぢ)伸擴(のびひろ)がつて...
泉鏡太郎 「一席話」
...此鹽梅だと瞬く間に家中に擴がつてしまふかも知れぬといつて兄さんが大變心配なすつていろ/\藥を買つて來て撒いて見なすつたけれども全く駄目なんです...
高濱虚子 「續俳諧師」
...神經が足からそこを經て腦髓へ擴がつてゐる部分のうちのどこかにおいて...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...以て黨勢を擴張すると共に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自由黨は勢に乘じて更に其の權力範圍を擴張せむとし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...著述の趣意の異同にまで推し擴げたもので...
内藤湖南 「支那目録學」
...思(おも)ひの儘(まゝ)に枝葉(えだは)を擴(ひろ)げた獨活(うど)の實(み)へ目白(めじろ)の聚(あつま)つて鳴(な)くのが愉快(ゆくわい)らしくもあれど...
長塚節 「土」
...やがて深い惱みの色がその微醺を帶びた顏中に擴がった...
南部修太郎 「霧の夜に」
...大きな下枝をすこし垂れ氣味にさへ擴げてゐる古い樅の上方で...
堀辰雄 「生者と死者」
...いつそ今夜の火事が擴がつて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...[#「擴がつてゐる...
室生犀星 「聖三稜玻璃」
...彼はのびのびと兩手を横に大きく擴げて出來るだけ大の字形になつてみた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...見る/\その一箇所の缺け目は擴げられる...
吉江喬松 「霧の旅」
...疲れてゐながらも肺臟が擴がつて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...扇形に擴がつたり...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...しかもその山の前面一帶に擴がつた裾野の大きさはまたどうであらう...
若山牧水 「樹木とその葉」
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