...さらば予は筆を擱(お)いて...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...時歳末に際して予期の如く事件を発展せしむる能はず茲(ここ)に一先づ擱筆するに到れるは作者の多少遺憾とする所なり...
石川啄木 「鳥影」
...警戒々々……そんな時には医者の言葉を守ってすぐに筆を擱(お)く...
上村松園 「健康と仕事」
...ここで擱筆(かくひつ)する...
海野十三 「今昔ばなし抱合兵団」
...之(これ)で筆(ふで)を擱(お)く...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...静かに筆を擱(お)いてそれに両手をかざした...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...ここまで書いて静かに筆を擱(お)いた...
太宰治 「ろまん燈籠」
...まずこのへんで擱筆(かくひつ)して余は他の機会に譲ることとする...
寺田寅彦 「科学と文学」
...少くも内妨の害だけは無かつた事をこゝに保證して筆を擱く...
土井晩翠 「隨筆 藪柑子」
...英一と照子との思ひ出は盡きない、もつと委しくかき度いと思つて居たが、これで筆を擱く...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...列伝(れつでん)第七十太史公(たいしこう)自序の最後の筆を擱(お)いたとき...
中島敦 「李陵」
...これに関する一挿話を掲げて擱筆する...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...直ちに筆を擱(お)き机を離れ...
穂積重遠 「法窓夜話」
...その他遺憾の節も多いが今は仮りに擱筆する...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
...擱筆(かくひつ)させた...
吉川英治 「新書太閤記」
...筆を下に擱(お)かなかった...
吉川英治 「親鸞」
...お杉はいつか筆を擱(お)いてしまって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...執りかけた筆を擱(お)いて...
吉川英治 「夕顔の門」
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