...締切日の最後の時間になったので擱筆する...
宇野浩二 「それからそれ」
...筆を擱(お)いて立ち上ったものの...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まだまだ御目汚し度きこと沢山に有之候えども激しく胸騒ぎ致し候まま今日はこれにて筆擱(お)き申候」と書いてあった...
田山花袋 「蒲団」
...少くも内妨の害だけは無かつた事をこゝに保證して筆を擱く...
土井晩翠 「隨筆 藪柑子」
...擱筆の瞬間? の風物を抒したりしたくなる...
戸坂潤 「読書法」
...見れば床の間の前なる一閑張の机に物書きゐる人あり筆を擱(お)きて此方に向直(むきなお)らるるに...
永井荷風 「書かでもの記」
...筆を擱(お)いてたまたま窓外を見れば半庭の斜陽に...
永井荷風 「十日の菊」
...男 さあお終ひだ! (ペンを擱いて向き直る)女 恰度よかつたわね...
中原中也 「夢」
...其所(そこ)で筆(ふで)を擱(お)いたが...
夏目漱石 「門」
...愚昧な艦長は三檣戦艦を擱坐させてしまったのである...
久生十蘭 「海難記」
...もうペンを擱こう...
火野葦平 「花と龍」
...軽侮を来(きた)す所以(ゆえん)の大本(おおもと)をば擱(さしお)き...
福沢諭吉 「日本男子論」
...これは私達が村に帰つてから未だ二日日の出来事であるが、この分では、明日から何んな凄じい芝居がはじまるか? と思ふと私は一日も早く帰京すべきか、或ひは寧ろ滞在すべきか? などゝ思ひながら、この中途半端な文章を、ロータスの囲炉裡の傍で、擱くのである...
牧野信一 「山峡の村にて」
...筆を擱(お)いたあと私は恐れ縮こまっています...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...「古き小画」のルスタムをも彼の憤りをどう表現してよいか分らない状態にとどめて筆を擱いていることは面白い...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...わたくしは筆を擱(さしお)くに臨んで...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...私は筆を擱(お)いて門(もん)を出た...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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