...豫め彼自身の燃ゆるが如き心臟によつて端的に擯斥されたものである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...さうして彼はこの擯斥を裝ふに「多數との不一致」を以つてするのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...固より如何に之を擯斥するも自分の惡と醜とは容易に絶滅しない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その子は私生児として生涯隣保の擯斥(ひんせき)を受けねばならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...擯斥等の表情は見受けないような気がする...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...今の様な擯斥すべき気風がありましたが...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...ロクを死に神と呼んで擯斥(ひんせき)していたのに...
高見順 「いやな感じ」
...レーンが此処を訳したために擯斥(ひんせき)されたのは一往当然なことである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...世間が私通や不品行を擯斥(ひんせき)するのを偏見だというのか?」「そうとも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...擯斥(ひんせき)すべき醜悪なる一面と賛嘆すべき荘厳なる一面とが存する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...マレンゴーの剣は擯斥(ひんせき)すべきもので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...官吏は佞弁(ねいべん)邪智に富むものにあらざれば立身せず故に余擯斥(ひんせき)して途上に逢う事あるも顔を外向け言語を交えざる事既に十年を越ゆ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する...
萩原朔太郎 「青猫」
...だらだらしたものが擯斥(ひんせき)される...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...これを擯斥(ひんせき)して近づけざるのみか...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...同志よりは背徳者として擯斥(ひんせき)せられ...
福田英子 「妾の半生涯」
...然るに所謂歌よみ等の之を擯斥(ひんせき)するは其趣向の滑稽なりとの理由による者にやあらん...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...忠誠直(かうちやく)之者は固陋(ころう)なりとして擯斥(ひんせき)せられ...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
便利!手書き漢字入力検索