...さうして彼はこの擯斥を裝ふに「多數との不一致」を以つてするのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...擯斥等の表情は見受けないような気がする...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...或は基督教会一般より非常の人望を有する高徳者より無神論者として擯斥(ひんせき)せられ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...取るにも足らぬヤクザ者として町内でも擯斥(ひんせき)されたものでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...しかしてまた傍観者のこれを擯斥(ひんせき)せざるのみならず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...擯斥すべきものとなる...
豊島与志雄 「愉快な話」
...もしわれらの如き文学者にしてかくの如き事を口にせば文壇は挙(こぞ)って気障(きざ)な宗匠(そうしょう)か何ぞのように手厳(てひど)く擯斥(ひんせき)するにちがいない...
永井荷風 「日和下駄」
...官吏は佞弁(ねいべん)邪智に富むものにあらざれば立身せず故に余擯斥(ひんせき)して途上に逢う事あるも顔を外向け言語を交えざる事既に十年を越ゆ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...危険な奴として擯斥(ひんせき)すべきはずなのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する...
萩原朔太郎 「青猫」
...あるいはこの諸件を擯斥(ひんせき)するに非ず...
福沢諭吉 「学者安心論」
...清(しん)の康煕(こうき)帝が明(みん)末の遺臣(いしん)を擯斥(ひんせき)し...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...自分もいつか其程に擯斥(ひんせき)する恋に囚(とら)われて了ったのだが...
二葉亭四迷 「平凡」
...其様(そん)な不見識な事は私の尤も擯斥(ひんせき)する所だったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...俳句の古調を擬する者あれば「古し」「焼直しなり」などとて宗匠輩(はい)は擯斥(ひんせき)すめり...
正岡子規 「俳諧大要」
...地ぐちシヤレを擯斥(ひんせき)するわれらの作と...
正岡子規 「人々に答ふ」
...或いは我々に近づき或いはまた擯斥(ひんせき)し...
柳田国男 「山の人生」
...昔ならその生徒を同級生が擯斥(ひんせき)するか...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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