...焦躁する自我は眼を瞋らし肩を聳かして醜き知識を擯出する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...豫め彼自身の燃ゆるが如き心臟によつて端的に擯斥されたものである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...自分は全心の憎惡を以つて之を擯斥する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...なにゆえ外道は擯斥すべきやを知らず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...或は基督教会一般より非常の人望を有する高徳者より無神論者として擯斥(ひんせき)せられ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...これらの船を冒昧に排擯(はいひん)し給わば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...父兄より擯斥せられてゐたが故に...
永井荷風 「来訪者」
...しかしそれはイスラム教徒にイランが征服されてから後は邪教として擯斥(ひんせき)された...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する...
萩原朔太郎 「青猫」
...文壇的人非人(にんぴにん)として擯斥(ひんせき)された...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...偉い人は之を動物的の愛だとか言って擯斥(けな)されるけれど...
二葉亭四迷 「平凡」
...自分もいつか其程に擯斥(ひんせき)する恋に囚(とら)われて了ったのだが...
二葉亭四迷 「平凡」
...俳句の古調を擬する者あれば「古し」「焼直しなり」などとて宗匠輩(はい)は擯斥(ひんせき)すめり...
正岡子規 「俳諧大要」
...然るに所謂歌よみ等の之を擯斥(ひんせき)するは其趣向の滑稽なりとの理由による者にやあらん...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...何故に滑稽は擯斥すべきか...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...然う云ふものの教育する所が彼等に喜ばれなく却て擯斥せらるヽに至るのは寧ろ當然である...
松本文三郎 「印度の聖人」
...忠誠直(かうちやく)之者は固陋(ころう)なりとして擯斥(ひんせき)せられ...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...のみならずこの種の地方語はいわゆる田舎言葉としておいおい擯斥(ひんせき)せらるるようになった...
柳田國男 「地名の研究」
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