...焦躁する自我は眼を瞋らし肩を聳かして醜き知識を擯出する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...殆んどあらゆる近代の藝術を擯斥した(「藝術とは何ぞや」...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...或は基督教会一般より非常の人望を有する高徳者より無神論者として擯斥(ひんせき)せられ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...名誉の絶頂から擯斥(ひんせき)の谷底に追い落され...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...ロクを死に神と呼んで擯斥(ひんせき)していたのに...
高見順 「いやな感じ」
...これらの船を冒昧に排擯(はいひん)し給わば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...擯斥(ひんせき)すべき醜悪なる一面と賛嘆すべき荘厳なる一面とが存する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...マレンゴーの剣は擯斥(ひんせき)すべきもので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...官吏は佞弁(ねいべん)邪智に富むものにあらざれば立身せず故に余擯斥(ひんせき)して途上に逢う事あるも顔を外向け言語を交えざる事既に十年を越ゆ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...危険な奴として擯斥(ひんせき)すべきはずなのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...長官に対して不従順全体今度の亜米利加(アメリカ)行(こう)に就(つい)て斯(か)く私が擯斥(ひんせき)されたと云うのは...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...主戦論者は大抵(たいてい)皆(みな)擯(しりぞ)けられて或(あるい)は身を殺したる者もありしに...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...清(しん)の康煕(こうき)帝が明(みん)末の遺臣(いしん)を擯斥(ひんせき)し...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...自分もいつか其程に擯斥(ひんせき)する恋に囚(とら)われて了ったのだが...
二葉亭四迷 「平凡」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...俳句の古調を擬する者あれば「古し」「焼直しなり」などとて宗匠輩(はい)は擯斥(ひんせき)すめり...
正岡子規 「俳諧大要」
...然るに所謂歌よみ等の之を擯斥(ひんせき)するは其趣向の滑稽なりとの理由による者にやあらん...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...のみならずこの種の地方語はいわゆる田舎言葉としておいおい擯斥(ひんせき)せらるるようになった...
柳田國男 「地名の研究」
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