...その子は私生児として生涯隣保の擯斥(ひんせき)を受けねばならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...ロクを死に神と呼んで擯斥(ひんせき)していたのに...
高見順 「いやな感じ」
...世間が私通や不品行を擯斥(ひんせき)するのを偏見だというのか?」「そうとも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...擯斥(ひんせき)すべき醜悪なる一面と賛嘆すべき荘厳なる一面とが存する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...即ちいやヨおよしなさいヨと云うの意にして初めより擯斥(ひんせき)して顧みざるの意に非ざるが如し...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...カーライルはこのクロムウェルのごときフレデリック大王のごときまた製造場の煙突のごとき家の中でクロムウェルを著わしフレデリック大王を著わしディスレリーの周旋(しゅうせん)にかかる年給を擯(しりぞ)けて四角四面に暮したのである...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...しかしそれはイスラム教徒にイランが征服されてから後は邪教として擯斥(ひんせき)された...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する...
萩原朔太郎 「青猫」
...文壇的人非人(にんぴにん)として擯斥(ひんせき)された...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...長官に対して不従順全体今度の亜米利加(アメリカ)行(こう)に就(つい)て斯(か)く私が擯斥(ひんせき)されたと云うのは...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...主戦論者は大抵(たいてい)皆(みな)擯(しりぞ)けられて或(あるい)は身を殺したる者もありしに...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...清(しん)の康煕(こうき)帝が明(みん)末の遺臣(いしん)を擯斥(ひんせき)し...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...この敵方の人物を擯斥(ひんせき)せざるのみか...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...同志よりは背徳者として擯斥(ひんせき)せられ...
福田英子 「妾の半生涯」
...其様(そん)な不見識な事は私の尤も擯斥(ひんせき)する所だったが...
二葉亭四迷 「平凡」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...単にその理屈的なるの点においてこれを擯斥す...
正岡子規 「俳諧大要」
...直様(すぐさま)釈す事はならぬが六ヶ月間人間界へ擯出しようと言ってやがてかの二竜を竜宮から追い出した...
南方熊楠 「十二支考」
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