...西洋型の船に擬(なぞら)えた大きな小屋(こや)を建て...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...拳銃を女に擬(ぎ)しながら急速にその方向に近づくらしい...
梅崎春生 「日の果て」
...他方かつての擬似マルクス主義的な個人否定主義の如きものにも向けられている...
戸坂潤 「読書法」
...近衞公も亦曾て松方内閣より文部大臣を擬せられたりき近衞公は久しき以前より機關雜誌を發行して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それは稻(いね)の花(はな)に模擬(なぞら)つたので...
長塚節 「土」
...幾度(いくたび)か幕府の大官重役に擬せられましたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...中には大擬(おおまが)い物(もの)の高麗焼(こうらいやき)の壺(つぼ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...擬(まが)ひ物の錦(にしき)か何んかだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今日の果敢なき憂愁を捨て飛べよかし! 飛べよかし!明るき四月の外光の中嬉嬉たる群集の中に混りてふたり模擬飛行機の座席に乘れど君の圓舞曲(わるつ)は遠くして側へに思惟するものは寂しきなり...
萩原朔太郎 「氷島」
...あるいは宗祇の句を賛語に擬して書いたこともある...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...擬音のためにおくれるのだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...直ちに毒薬または短刀を擬して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...この稿を終りペンを剣に擬したまゝ...
牧野信一 「僕の運動」
...寧ろ番人達は交代で夜々重い銃を擬して発砲をする手間が省けて...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...馬の嘶声を擬れば馬を名ざすに事足りたはずだが...
南方熊楠 「十二支考」
...蜘蛛(くも)や梅擬(うめもどき)の実などを喰べさせているが...
室生犀星 「人真似鳥」
...富仁(とみひと)を擬(ぎ)していたところ...
吉川英治 「私本太平記」
...蕎麦を喰って擬宝珠(ぎぼうしゅ)の方面へ立ち去った一名の浪人者がいるという報(し)らせだ...
吉川英治 「旗岡巡査」
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