...二人は胸の中でそれを擬(ま)ねて見るけれど...
石川啄木 「天鵞絨」
...平易即時に模擬適用することあたわざるのみならず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...あの擬宝珠の橋とコンクリートのいかつい四条大橋とを較べて見たら時の流れというものの恐ろしい力が誰にも肯けましょう...
上村松園 「京の夏景色」
...彼船を由比浦に浮べんと擬す...
太宰治 「右大臣実朝」
...われは或一派の詩人の如く銀座通(ぎんざどおり)の燈火(とうか)を以て直ちにブウルヴァールの賑(にぎわい)に比し帝国劇場を以てオペラになぞらへ日比谷(ひびや)の公園を取りてルュキザンブルに擬(ぎ)するが如き誇張と仮設を喜ぶ事能(あた)はずなりぬ...
永井荷風 「矢立のちび筆」
...擬いの神尾主膳の咽喉元を一突きに突き刺して...
中里介山 「大菩薩峠」
...わざと生酔いの擬勢をして見せるのではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...擬寶珠(ぎばうし)の形で解りまさア」「成程...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小銃を擬して彼を狙つてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...この稿を終りペンを剣に擬したまゝ...
牧野信一 「僕の運動」
...これを悪しに擬し...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...これを擬果(ぎか)とも偽果(ぎか)とも称(とな)える...
牧野富太郎 「植物知識」
...この擬容的準備の威嚇的な丹念さとは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...いま一人の妻に姫君を擬してみるのは恥ずかしいと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かえって擬古を助長して脚下の社会との縁を薄くしたことは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...パンテオンは羅馬(ロオマ)の其れに擬して仏蘭西(フランス)の偉人を国葬する寺だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...曹操の率いる模擬(もぎ)河北軍は...
吉川英治 「三国志」
...自分を謙信に擬(ぎ)し...
吉川英治 「新書太閤記」
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