...無理に擬(ま)ねた様な訛言(なまり)を使つた...
石川啄木 「鳥影」
...楊(やなぎ)は令嬢(むすめ)たちに擬(なぞら)えたのであろう...
泉鏡花 「婦系図」
...擬(にせ)が多いそうにございます...
泉鏡花 「海神別荘」
...硝子(ビイドロ)とその擬(まが)い珠(たま)を取棄てさして下さい...
泉鏡花 「海神別荘」
...擬装していたものだから...
海野十三 「火星兵団」
...武装した三十名ほどの警官隊がズラリと拳銃(ピストル)を擬(ぎ)して鉄壁(てっぺき)のように並んでいる...
海野十三 「恐怖の口笛」
...物を蔵する言語とを有せりさればかろくして責なきその声のひびきのなやましさよ聞くに堪へざる俗調は君とわれとの心を取りて不倫と滑稽との境に擬せむとすのろはれたるもの梟の族...
高村光太郎 「智恵子抄」
...擬音のほうがかえって実際に近く聞こえるような状態では到底理想的なものはできないであろう...
寺田寅彦 「ラジオ・モンタージュ」
...人殺しのあった娼家に「その夜の男」がなにか持ちものをおきわすれて容疑者に擬せられる...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...擬宝珠(ぎぼうし)の形で解りまさア」「なるほど...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんな自分を擬阿片喫煙者と称んでゐたが...
牧野信一 「熱い風」
...模擬革のボストンバツクをぶらさげて...
牧野信一 「痴日」
...そして畢竟(ひっきょう)このオランダイチゴの実も一つの擬果(ぎか)に属するのだが...
牧野富太郎 「植物知識」
...梅擬(うめもどき)の実の朱いのが冬深く風荒んでくるころに...
室生犀星 「冬の庭」
...世界第一の民政国たる米国に擬せんとせしが如き政治的冒険の花々しく...
山路愛山 「明治文学史」
...もしくは擬生物体飜弄の心理は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その胸いたに擬(ぎ)しながら振り向いていった...
吉川英治 「三国志」
...鹵城には擬旗(ぎき)を植え並べ...
吉川英治 「三国志」
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