...しかし終(しま)ひにはだん/\と其の気持を誇張してゐるうちに擬悪的な興味が少しづゝ顔をのぞかし初めて来た...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...ピストルを擬して帆村は無理なことをいう...
海野十三 「蠅男」
...みんな擬(まが)ひものでさ...
薄田泣菫 「茶話」
...而して可憐の冤民ハ兇徒嘯集罪に擬せられ前橋の獄に繋がるゝもの六十余名...
田中正造 「非常歎願書」
...擬寶珠など名の知れぬ無數の草がその上に生ひ被さつてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...当分庸三を擬装の道具につかうよりほかなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...智者に在(あ)りて何の擬議(ぎぎ)かこれあらん」といい...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...これを以て人に擬す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...創造のうちにはまったく擬作の時代があるんだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ラ・フォンテーヌの次のみごとな詩句を全部一つのいかめしい擬声語につづめたものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...田道間守に縁ある者としては都市(ヅシ)を出石に擬することなり...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...主として譬論比擬の言辞を以て...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...擬(まが)いの西洋館らしく...
夏目漱石 「明暗」
...格では十五年の使役という擬文律があるが...
久生十蘭 「無月物語」
...足音を擬(まね)て名としたのもあるべきがちょっと分らぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...」(特務曹長ピストルを擬(ぎ)し将(まさ)に自殺せんとす...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...十個の味噌桶の底にそれぞれ擬(まが)い小判を平等に入れて...
夢野久作 「名娼満月」
...擬神的な観念になって変形して来たものであろう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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