...」梅玉(ばいぎよく)と桜島5・8(夕)仁左衛門が大阪に乗込んだのと、擦れ違ひざま、岡山へ発(た)つた鴈治郎梅玉一座は、中国から九州各地を打つて廻つて、最後に鹿児島へ入るさうだが、その鹿児島の興行だけは、俳優には内証(ないしよう)で、今だに談話(はなし)が伏せてある...
薄田泣菫 「茶話」
...向うも私なぞは眼中にありはしなかったから擦れ違いざまに日本の外交員でも来たかと言わんばっかりの...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...それが二人と擦れ違うことがあった...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...讓は女の体と擦れ合うようにして内へはいった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...海晏寺の前の榎(えのき)の傍で擦れちがい...
田中貢太郎 「春心」
...十二三歳になる女の子がちょこちょこと出て来て擦れ違おうとしたところで...
田中貢太郎 「魔王物語」
...梅吉がお座敷の帰りに柳橋の上で擦れちがいざま...
谷崎潤一郎 「幇間」
...どの人影も擦れちがいざまに...
田畑修一郎 「石ころ路」
...昨日迄は擦れ合ふ身體から火花が出て...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...すると足が土と擦(す)れ擦れになるまで車が濘海(ぬかるみ)に沈んで来た...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...手擦れのした道具のやうな愛惜を感じた...
林芙美子 「朝夕」
...激しく衣擦れの音を立てゝ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...葉擦れの音と潤いのある土の香りに胸から飛び出しそうな心臓の鼓動を鎮め様と努めた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...総髪にきゅっとひき詰めてむすんだ髪の横鬢(よこびん)に面擦れの痕がある...
山本周五郎 「新潮記」
...ヨーロッパから日本へ帰る榛名丸と擦れ違う...
横光利一 「欧洲紀行」
...もう襟もとで擦れるぢりぢりした髮の毛の音が聞えるだけで...
横光利一 「榛名」
...擦れ違いざま久慈は...
横光利一 「旅愁」
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