...肩と肩を擦れさうにした...
石川啄木 「散文詩」
...洋服着た男とでも肩が擦れ/\になると...
石川啄木 「天鵞絨」
...擦れ違った瞬間、ハンドルを握っているがっちりとした鳥打帽の男、それと並んで腰かけている貴公子風の男とが、チラリと眼に入った、はっとして見直そうとした時には、車はもう行き過ぎてしまっていた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...擦れ違う時に窓から白い手が...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...裾擦れの音がガサガサと聞える...
大阪圭吉 「白妖」
...一人の青年と擦れちがった...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...二つの蓐(しとね)が殆ど擦れ擦れに敷いてある...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...絹や金襴や上質の亜麻のさらさら擦れる音などのために...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...山の擦れた繻子の帯をしめて...
直木三十五 「南国太平記」
...すると足が土と擦(す)れ擦れになるまで車が濘海(ぬかるみ)に沈んで来た...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...擦れ違う列車はみな奇怪な重傷者を満載していた...
原民喜 「夏の花」
...……比丘尼の手なら撞木擦(しゅもくず)れか数珠(じゅず)擦れ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...スカートの擦れる音が聞こえ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...「靴擦れで足が痛え――」ひょいと踞(しゃが)み乍ら力任せに為吉は刑事の脚を浚(さら)った...
牧逸馬 「上海された男」
...しまひには三田の方も此の話に擦れ切つてしまつて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...廊下の方の障子にさらさらと衣擦れの音がした...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...滑らかな手擦れでみがかれた光沢があった...
室生犀星 「後の日の童子」
...夜ぞらに擦れてうすい明りをもつ燐(りん)のように...
室生犀星 「みずうみ」
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