...調子揃つた足擦れの音...   
石川啄木  「鳥影」 
...洋服着た男とでも肩が擦れ/\になると...   
石川啄木  「天鵞絨」 
...擦れ違ひざま牛のやうな呆(とぼ)けた顔の男を見ると...   
薄田泣菫  「茶話」 
...擦れ違いさまに向うの船の船頭の頭を掠(かす)めたり...   
谷崎潤一郎  「幇間」 
...絹や金襴や上質の亜麻のさらさら擦れる音などのために...   
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」 
...擦(す)れ擦れになった感情が衝突して...   
徳田秋声  「爛」 
...山の擦れた繻子の帯をしめて...   
直木三十五  「南国太平記」 
...湯壺はからだとからだが擦れ合うほどになる...   
中村清太郎  「ある偃松の独白」 
...……比丘尼の手なら撞木擦(しゅもくず)れか数珠(じゅず)擦れ...   
久生十蘭  「顎十郎捕物帳」 
...みなの手擦れでやわらかになり...   
久生十蘭  「重吉漂流紀聞」 
...「あのエレベーターの入口で擦れ違った男ね...   
平林初之輔  「五階の窓」 
...その上には手擦れのしたタイプライタアがのっていて...   
前田河広一郎  「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」 
...その手に乗るものですか! 阿婆擦れ女を送れば良かったの! ほんの思いつきで愛する小さな犬を犠牲にするなんて不道徳です...   
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」 
...さういふ擦れつからしなところがなかつた...   
室生犀星  「蒼白き巣窟」 
...何かしら色紙ででも剪(き)って作りあげたような擦れちがいの芸者などを...   
室生犀星  「幻影の都市」 
...かれと擦れちがいにあるく女らが...   
室生犀星  「幻影の都市」 
...中学校の生活というものをしないので擦れておらず...   
柳田国男  「故郷七十年」 
...手擦れて木目だけ浮き上った粗末なテーブルに荷物を乗せ...   
横光利一  「旅愁」 
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