...漁師は笑いながら擦れ違った...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...千畳敷の平坦な処へおりたところでふと怪しいものと擦れ違った...
田中貢太郎 「魔王物語」
...むこうの方から五六人の会社員らしい洋服を着た一群が来て擦れ違ったが...
田中貢太郎 「妖影」
...多少擦れているような点もあるか知れないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私の前後を擦れ違う幾人の女の群も...
谷崎潤一郎 「秘密」
...」腕車と擦れ違いに声をかけたのは...
徳田秋声 「黴」
...擦れ擦れに追い抜こうとした...
直木三十五 「南国太平記」
...衣擦れの音が近づいて...
直木三十五 「南国太平記」
...「よう」と、声をかけて、一人の若い衆に、擦れちがうと、侍が一人、小者を二人供にして、足早に歩いて来た...
直木三十五 「南国太平記」
...三(み)つ鱗(うろこ)の周囲(まわり)に擦(す)れ擦れの大きさに円(まる)を描(か)く...
夏目漱石 「虞美人草」
...ほとんど擦(す)れ擦れになって...
夏目漱石 「明暗」
...靴の踵と床の擦れ合ふ響...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...土左衛門(どざえもん)はどうしました」軽舸(はしけ)で擦れ違ったのは八五郎でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「靴擦れで足が痛え――」ひょいと踞(しゃが)み乍ら力任せに為吉は刑事の脚を浚(さら)った...
牧逸馬 「上海された男」
...階段の湾曲(カーブ)のところで下から馳上ってくる絹擦れの音をきいて驚いて足を停めた...
松本泰 「日蔭の街」
...女は身體をちひさくして擦れ違はうとしたが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...足袋の裏まで砂利(じゃり)擦れがしているのを見た...
室生犀星 「蛾」
...いつも階段で擦れ違うだけで話をしたことがなかったが...
横光利一 「旅愁」
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