...ふと一人の男に擦れ違ったのだった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...裾擦れの音がガサガサと聞える...
大阪圭吉 「白妖」
...」梅玉(ばいぎよく)と桜島5・8(夕)仁左衛門が大阪に乗込んだのと、擦れ違ひざま、岡山へ発(た)つた鴈治郎梅玉一座は、中国から九州各地を打つて廻つて、最後に鹿児島へ入るさうだが、その鹿児島の興行だけは、俳優には内証(ないしよう)で、今だに談話(はなし)が伏せてある...
薄田泣菫 「茶話」
...彼れは擦れ違はうとする相手の顔を見た...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...海晏寺の前の榎(えのき)の傍で擦れちがい...
田中貢太郎 「春心」
...人をくった擦れっからしらしいところもあるようだし...
豊島与志雄 「田園の幻」
...なよやかな衣擦れの音...
豊島与志雄 「春の幻」
...参れ」と、口早にいって、将曹と、擦れちがって、お由羅の方へ行った...
直木三十五 「南国太平記」
...小米桜(こごめざくら)が擦(す)れ擦れに咲いていて...
夏目漱石 「虞美人草」
...手擦れがしているのだ...
林不忘 「あの顔」
...行かよふ人の顔小さく小さく擦れ違ふ人の顔さへも遥(はるか)とほくに見るやう思はれて...
樋口一葉 「にごりえ」
...……比丘尼の手なら撞木擦(しゅもくず)れか数珠(じゅず)擦れ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...みなの手擦れでやわらかになり...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...擦れ違ふ女の姿形を無心には見過せなくて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ずるずると畳擦れの音とともに女の視覚と神経とをすっかり支配しつくしたとき...
室生犀星 「香爐を盗む」
...軍艦と擦れちがったジャンクに拾われたので...
夢野久作 「支那米の袋」
...久慈は二人の意志の擦れ違うところを感じまた乗り出した...
横光利一 「旅愁」
...かげろう立つ空の青みの中に交る興亡二つの運命の描いた線の擦れ違う哀愁を身に感じた...
横光利一 「旅愁」
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