...肩と肩を擦れさうにした...
石川啄木 「散文詩」
...湿つた土に擦れる下駄の音が...
石川啄木 「鳥影」
...二人の頬と頬とが擦れ合った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...沼津の松並木で擦れ違った時...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...やども私たちがこちらへ出てまゐりますのと擦れ違ひに着きましたさうで...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...たまに仲間に提灯(ちょうちん)を持たした女などが擦れ違うと揮(ふ)り返って見た...
田中貢太郎 「花の咲く比」
...むこうの方から五六人の会社員らしい洋服を着た一群が来て擦れ違ったが...
田中貢太郎 「妖影」
...春日町(かすがちょう)の方から来た電車と壱岐坂(いきざか)下の手前で擦れ違った...
田中貢太郎 「妖影」
...入り江の岸が船尾と擦れ擦れになるくらいにもそこの港は小さいのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...衣擦れの音がして...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...」腕車と擦れ違いに声をかけたのは...
徳田秋声 「黴」
...衣擦れの音が近づいて...
直木三十五 「南国太平記」
...三(み)つ鱗(うろこ)の周囲(まわり)に擦(す)れ擦れの大きさに円(まる)を描(か)く...
夏目漱石 「虞美人草」
...最初往来で擦れ違った時は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手擦れのした道具のやうな愛惜を感じた...
林芙美子 「朝夕」
...私は擦れ違ふ急行列車の窓のこちら側から向側の窓をちらつと眺めてゐるのではないかとおもへた...
原民喜 「二つの死」
...ほとんど床と擦れすれだった...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...手擦れて木目だけ浮き上った粗末なテーブルに荷物を乗せ...
横光利一 「旅愁」
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