...彼等が得意の擅場也...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...一人の水夫があって檣(ほばしら)の上から落日の大観を擅(ほしいま)まにし得た時...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...物の饐(す)えた香と積肥(つみごえ)の香が擅(ほしいまま)にただよっていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...必らずしも哲学研究の擅場とするにも及ぶまい...
市島春城 「読書八境」
...「まどき」が盛んに『読売』の投書欄を賑わして殆んど独擅場(どくせんじょう)の観があった頃...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...露西亜(ロシア)の擅(ほしいまま)に人の国を侵略するということに付いて...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...ぼくは今夜は正(まさ)に自分の独擅場(どくせんじょう)だなと得意な気がして...
田中英光 「オリンポスの果実」
...特に社会科学に於てその総合乃至折衷の才を擅(ほしいまま)にした彼は...
戸坂潤 「辞典」
...獨り我輩の怪む所は一百餘の代議士を有する大政黨が斯くの如き醜怪なる人物をして擅まに其黨規を紊亂せしめて憂へざること是れなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...内務次官たる小松原氏が擅まに一派の政商と結托して職権を乱用したる罪案を決する能はず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...独り我輩の怪む所は一百余の代議士を有する大政党が斯くの如き醜怪なる人物をして擅まに其党規を紊乱せしめて憂へざること是れなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...時には自国の者が徒党を組んで同胞から掠奪を擅(ほしいまま)にすることさへあつたのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...丈草の独擅(どくせん)なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...後世その変形たる河童が専らミヅシの名を擅(ほしいまま)にし...
南方熊楠 「十二支考」
...擅(ほしいま)まに諸国を歩み...
南方熊楠 「十二支考」
...それに乗じて威福を擅(ほしいまま)にすると云うのが常である...
森鴎外 「雁」
...ですがこの友禅はその名を独り擅(ほしいまま)にするわけにゆかないのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...大安最も勝を擅にす」と書かれてゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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