...彼等が得意の擅場也...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...歡樂を擅にする事ができるのだから...
泉鏡花 「お花見雜感」
...一方には羅馬(ろま)教会の擅行(せんこう)を批難しながら他方には他の新教徒に附するに Dissenters(分離者)とか Nonconformists(不合者)とかの聞き悪(にく)き名称を以てするにあらずや...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...露西亜(ロシア)の擅(ほしいまま)に人の国を侵略するということに付いて...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...擅(ほしいまま)に威福を作(な)す...
田中貢太郎 「続黄梁」
...祖國の復興を祈つてやまぬ私はつい先頃菩提所大林寺に擅徒惣代として一知人の弔辭を讀み...
土井晩翠 「「晩翠放談」自序」
...内務次官たる小松原氏が擅まに一派の政商と結托して職権を乱用したる罪案を決する能はず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...さすがの白雲をして、せっかくの朗吟を中止沈黙のやむなきに至らしめた無作法者の、清澄の茂坊であること申すまでもなく、白雲をして、中止沈黙のやむなきに至らしめたことをいいことにして、茂太郎がいよいよ独擅(どくせん)を発揮し、独擅といっても、元はといえば、内容節調みな白雲先生の直伝(じきでん)によるところのものに相違ないが――海上の明月、潮(うしほ)と共に生ずゑんゑんとして波に随ふ千万里何(いづ)れの処か春江月明なからん江流ゑんてんとして芳(はう)てんをめぐる月は花林を照して皆霰(あられ)に似たり空裏の流霜飛ぶことを覚えず汀上(ていじやう)の白沙見れども見えず江天一色繊塵なし皓々(かうかう)たり空中孤月輪江畔何人(なんぴと)か初めて月を見し江月いづれの年か初めて人を照せし人生代々窮まりやむことなく江月年々望み相似たり知らず江月何人(なんぴと)をか照すただ見る長江の流水を送ることを白雲一片去つて悠々青楓浦上愁ひに勝(た)へず誰(た)が家ぞ今夜扁舟(へんしう)の子は何れの処ぞ相思ふ明月の楼憐れむべし楼上月(つき)徘徊(はいくわい)すまさに離人の粧鏡台を照すべし玉戸簾中まけども去らず擣衣砧上(たういちんじやう)払へどもまた来(きた)る此時(このとき)相望めども相聞えず願はくば月華を逐(お)うて流れて君を照さん鴻雁(こうがん)長く飛んで光わたらず魚竜潜(ひそ)み躍(をど)りて水文(あや)をなす昨夜かんたん落花を夢む憐れむべし春半(しゆんぱん)家に還らず江水春を流して去つて尽きんと欲す江潭落月(かうたんらくげつ)また西に斜めなり斜月沈々として海霧(かいむ)に蔵(かく)る碣石瀟湘(けつせきせうしやう)限り無きの路知らず月に乗じて幾人か帰る落月情を揺(うご)かして江樹に満つこれだけの詩を一句も余さず、清澄の茂太郎が、吟じ来り吟じ尽してしまったものですから、今度は、天地が動き出したほどに玉蕉女史が驚かされてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この鉄柵外にも自由を擅にしたくなるのは自然の勢(いきおい)である...
夏目漱石 「草枕」
...擅な運命の力強い手に全く支配されてゐるやうな氣がするから……」と...
南部修太郎 「霧の夜に」
...擅(ほしいまま)なる――それを聴くのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...丈草の独擅(どくせん)なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...ですがこの友禅はその名を独り擅(ほしいまま)にするわけにゆかないのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...君主擅制(せんせい)の時代には堯舜(げうしゆん)は歌はれざるべからず...
山路愛山 「詩人論」
...自分の美を擅(ほしいまま)にするものだと何やらの本で見た事があるが...
夢野久作 「暗黒公使」
...手のつけられない乱行を擅(ほしいまま)にした...
吉川英治 「剣難女難」
...その間に動いてゐる氣宇の爽大さはいよ/\背後の富士をして獨りその高さを擅(ほしいまま)ならしめてゐるのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その間に動く氣宇の爽大さはいよ/\背後の富士をしてその高さを擅ならしめてゐるのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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