...我等を鞭撻して常により高き段階を望ましめる力を持つてゐるものでなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この戒心は刻一刻吾人を鞭撻(べんたつ)して吾人の偉大性を発揚せしめつゝあり...
石川啄木 「閑天地」
...自分の精神に覺醒の鞭撻を與へて呉れたのは...
石川啄木 「雲は天才である」
...鞭撻しても動かない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...色もの凄き羊群も長棹(ながさを)の鞭に撻(うた)れて歸る...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...人間はなんでも性根がなくちゃ駄目だぞ」そういって鞭撻してくれた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...正造に鞭撻されて同日ふたたび被害民の道中先を目ざして出発した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...油利撻(ゆりたつ)...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「促織」
...私を鞭撻しなければならない...
種田山頭火 「其中日記」
...・自己省察、自己鞭撻...
種田山頭火 「其中日記」
...兄は私にとつていつもよい刺戟と鞭撻を与へてくれた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...又主幹松原二十三階堂(岩五郎)氏に激勵鞭撻の書簡を送らる...
長谷川時雨 「うづみ火」
...偏に上長各位の懇篤なる御後援と御鞭撻の賜と存じ深く感謝いたす次第です...
久生十蘭 「魔都」
...アメリカの大学に留学中、気がかわって、合衆国美人と懇意になり、学位ひとつとらずに、ルンペンのようになって帰ってきた九万吉氏を、賢夫人は農林省の下級技官にしてやり、以来、休むときなく、鞭撻して、二十年がかりで、課長におしあげたのだそうである...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...仕事のみが魂によき慰めや鞭撻をあたえた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...少しも思うまいと男は意志に最後の鞭撻(べんたつ)を加えた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...翁が挺身して一同を鞭撻し続けて来たものではあるまいかという事実が...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...その結果の御鞭撻とわかって...
吉川英治 「随筆 新平家」
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