...飛びこんで来るやいなや仁蔵を撲(なぐ)りつけた...
田中貢太郎 「狸と同棲する人妻」
...昼撲(なぐ)りつけてあるのだから...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...露西亜(ロシア)の卓(すぐ)れた作家の描いた人生の意味が今更のように胸を撲(う)った...
田山花袋 「蒲団」
...若くて死んだこれらの仲よしの友だちは永久に記憶の中に若く溌剌として昔ながらの校庭の土俵で今も相撲をとっている...
寺田寅彦 「相撲」
...香風脉として面を撲つ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...一人相撲(ひとりずもう)というものを取って銭を乞う男があった...
永井荷風 「伝通院」
...そうでなければ反対に男から撲(なぐ)られなければ満足しない...
永井荷風 「ひかげの花」
...ポカポカと撲って歩きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...相撲取と見まがうばかりの体格のやつが...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分で自分に打撲傷(だぼくしょう)を与えるようなものであった...
夏目漱石 「明暗」
...お内儀の肩に青い痣(あざ)になつた打撲(うちみ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夫れ物質的の文明は唯物質的の人を生むに足れる而已(のみ)、我三十年間の進歩は実に非常なる進歩に相違なし、欧米人をして後(しり)へに瞠若(だうじやく)たらしむる程の進歩に相違なし、然れども余を以て之を見るに、詮じ来れば是唯物質的の文明に過ぎず、是を以て其文明の生み出せる健児も、残念ながら亦唯物質的の人なる耳(のみ)、色眼鏡を懸け、「シガレット」を薫(くゆ)らし、「フロック、コート」の威儀堂々たる、敬すべきが如し、然れども是れ銅臭紛々たる人に非ずんば、黄金山を夢むるの児なり、其中に於て高潔の志を有し、慷慨の気を保つもの、即ち晨星(しんせい)も啻(たゞ)ならじ、束髪峨々(がゝ)として緑(りよくさん)額をつゝみ、能(よ)く外国の人と語り、能く「ピアノ」を弾ず、看来れば宛然たる「レディス」なり、然れども其中に存するものは空の空なるのみ、赤間ヶ関の荒村破屋に嘗(かつ)て野「バラ」の如くに天香を放ちし、烈女阿正(オマサ)の如き、義侠深愛、貞節の如き美徳は之を貴き今日の娘子軍に求むべからず、蓋(けだ)し吾人(われら)が之を求め得ざりしは其眼界の狭きが為ならん、而(しか)れども方今の人心は其外界の進歩に殆んど反比例して、其撲茂、忠愛、天真の如き品格を消磨して、唯物質的の快楽を遂ぐるに、汲々(きふ/\)たるは、掩(おほ)はんとして掩ひ得べからざるの事実に非ずや、思ふて此に至る吾人は賈生(カセイ)ならざるも、未だ嘗て之が為に長大息せずんばあらず、古来未だ嘗て亡びざるの国あらず、而して其亡ぶるや未だ嘗て其国民が当初の品格を失墜したるに因(よ)らずんばあらず噫(あゝ)今に及んで百尺竿頭、更に一歩を転ぜずんば、吾人は恐る、「古(むか)し我先人が文明を買ひし価(あたひ)は国を亡(うしな)ふ程に高直なりき」と白皙(はくせき)人種に駆使せられながら我子孫のツブヤカんことを...
山路愛山 「英雄論」
...撲りつけるつもりであるから...
吉川英治 「新書太閤記」
...「どうせ、相撲の当日には、分るこった」「まあ、今日は見のがしておけ」「覚えていろよ」などと口々に言いながら、ごそごそと、いちどに外へ出て行ってしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...宝財永劫(とわ)の珠(たま)ならず位冠栄衣(いかんえいい)も何かせん民の膏血(あぶら)に灯(ひ)ともして奢(おご)りの華ぞあやうけれ明日(あす)にしもあれ一(ひと)あらしあらじと誰か知るべきや「こらッ」竹棒は檻車(かんしゃ)を撲(なぐ)って...
吉川英治 「親鸞」
...――われらのうち数名のものが、まず政庁に赴いて、念仏停止(ちょうじ)の願文(がんもん)をさし出し、朝廷へ訴え奉るが何よりの策じゃ」論議は、ふた派にわかれ、壇上に立った者が、互いに譲らないで、舌戦を交わし初めたが、それが熱してくると、ついには、一方が一方の者を壇から突き落す、這いあがって行った者はまた、その相手の胸を突く、そして撲(なぐ)る、撲り返す、騒ぎは帰するところがない...
吉川英治 「親鸞」
...又八を撲った数よりも遥かに多い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...無意識に友をぶん撲(なぐ)りつつ組み合ってそこへ泣き倒れてしまった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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