...且つ其のづぶ濡の色を一息に一息に熟と撓めながら...
泉鏡花 「遺稿」
...その上を撓(しな)った指で一のし伸して...
泉鏡花 「薄紅梅」
...手首の関節が完全に柔らかく自由な屈撓性(くっとうせい)を備えていて...
寺田寅彦 「「手首」の問題」
...人に不撓な勇気を与えると共に...
豊島与志雄 「生活について」
...この老人のうちには堅忍不撓(ふとう)な人物を思わせるものがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不屈不撓の遍歴のはじまりになったのだが...
久生十蘭 「悪の花束」
...撓(しな)ったような長い睫毛がほんのりと眼に深みをつけている...
久生十蘭 「生霊」
...その撓を見てゐると影の形に添ふ様に之を造らせた手枕の形が現はれる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私の趣味を元來の傾向から撓(たわ)め...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...僅(わず)かばかりその枝を引き撓(たわ)めると...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...雪で撓(しな)った枝葉のあいだから...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...雪に折れない竹の撓(たわ)みも強さだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...撓め正すなんてことは...
吉川英治 「折々の記」
...その撓刀(しない)撃ちの音が...
吉川英治 「剣難女難」
...山中鹿之介幸盛の不撓不屈(ふとうふくつ)を想うて...
吉川英治 「新書太閤記」
...刀を抜いて撓(た)めていた...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...撓(た)めていた敵は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...時雨降る野口の簗の小屋に籠り落ち来る鮎を待てばさびしきたそがれの小暗き闇に時雨降り簗にしらじら落つる鮎おほし簗の簀の古りてあやふしわがあたり鮎しらじらととび跳りつつかき撓み白う光りて流れ落つる浪より飛びて跳ぬる鮎これおほきなる鯉落ちたりとおらび寄る時雨降るなかの簗の篝火翌朝は三人に別れて雨の中を船津町へ向った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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