...摺剥(すりむ)けたので分らぬが...
泉鏡花 「婦系図」
...こちらさまのに善(よ)く似た犬の首玉に児供が縄を縛り付けて引摺(ひきず)って行くのを壱岐殿坂(いきどのざか)で見掛けたといったから...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...しずかに摺(す)りこんだ...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...ふと行き摺(ず)りの美女に呼び留められて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...それと共に雲は摺墨(するすみ)をうちこぼしたる如(ごと)く...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...いつでもしまわれるように彼女のマントを摺(たた)んでやったり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...自分で自分の頭を持って引摺って行くかとばかり...
中里介山 「大菩薩峠」
...無体(むたい)に引き摺(ず)られながら...
夏目漱石 「坑夫」
...石見銀山(いわみぎんざん)の入ったのを呑ませた奴があるんです」「どうして摺り替えたと判った」「二本残った徳利を見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二階の手摺(てすり)から見下す形になります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...北向の三階の手摺(てすり)からブラ下がつては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自尊心と痩せ我慢に引き摺られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...盲目的な本能に引摺(ひきず)られて...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...それはひどく摺り切れた古い計算帳で...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...「フキ摺り」と呼んで...
牧野富太郎 「植物記」
...先日教えて戴いた薩摩芋の梅干和(うめぼしあえ)なんぞも忙がしい時に裏漉(うらごし)だけ略してお芋と梅干を直(す)ぐ摺鉢(すりばち)へ入れてよく擂交(すりま)ぜましたらそれでも結構食べられました...
村井弦斎 「食道楽」
...鶯(うぐいす)の摺餌(すりえ)を作る事が非常にむずかしきものと知らば小児の食物は一層大切なる事を懐(おも)え...
村井弦斎 「食道楽」
...耳飾や曳き摺るような銀狐や...
横光利一 「旅愁」
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