...足の皮を摺りむいて五郎平茶屋へ這い上がる...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...手もつけられぬ阿婆摺(あばずれ)になつた...
石川啄木 「天鵞絨」
...そして足摺りして眼を吊り上げた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...見あげると手摺(てすり)に両手をついて...
徳田秋声 「仮装人物」
...「ああ、摺付木、これだ、これだ」とほくそ笑みして、その箱を押して、一本のマッチを摘(つま)み出し、食卓の上の金具に当ててシューッとすると、パッと火が出たからまぶしがり、あわててそれを煙管(きせる)にうつそうとしたが、あいにくまだ煙管には煙草が詰めてなかったものだから、大急ぎでその摺付木を火鉢の灰の中へ立て、あわただしく煙管へ煙草をつめて、その燃え残りの火にあてがい、大急ぎで一ぷくを試みて、その煙を輪に吹いて、大納まりに納まりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...火は手摺((てすり))附の寝台や長持なんぞを照らし出してヨ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...離(はな)れ難(がた)い黒い影(かげ)を引き摺(ず)つて歩(ある)いてゐる女であつた...
夏目漱石 「それから」
...摺鉢の中には小桶の尻が吾輩の方を向いている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...死が自分の眼を鎖して人間としてのあらゆる意識を消してくれる時でなければ……」自分の心が次第に暗い處へ引き摺られて行くやうな寂しさを感じながら...
「修道院の秋」
...何んか手摺(てず)れの跡がある――その中に思ひも寄らぬ大金が隱してないとも限るまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...摺(す)れ違いざまに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつの間にやら手摺(てすり)の側に寄って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...顏と顏を摺り寄せるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自尊心と痩せ我慢に引き摺られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...Nは骨董品に校長をたとえてその人身を攻撃し出したので演壇から引摺り下ろされNも放校処分となった...
山之口貘 「私の青年時代」
...瓦版はたいてい一枚摺りだが...
山本周五郎 「へちまの木」
...兜摺(かぶとず)れに額は禿(は)げて...
吉川英治 「新書太閤記」
...摺(す)り切れてしまったと思っていた武士根性が...
吉川英治 「無宿人国記」
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