...踵(かかと)を摺下(ずりさが)って褄が波のようにはらりと落ちると...
泉鏡花 「怨霊借用」
...「廣告摺(ず)りを取りに來たんぢや――美人やで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やがてやさしい衣摺(きぬず)れの音とともに...
海野十三 「三人の双生児」
...引摺られて穴から出て来たのは...
薄田泣菫 「独楽園」
...入れ替えたばかりの青い畳のうえをそっちこっちわさわさ歩いているお増の衣摺(きぬず)れの音が忙しそうに聞えたり...
徳田秋声 「爛」
...浮世絵色摺の発達につきては余既に鈴木春信(すずきはるのぶ)論の中(うち)に述べしが如く...
永井荷風 「江戸芸術論」
...寒月の光に若い男女が互(たがい)に手を取り肩を摺れ合(あわ)して行くその後姿(うしろすがた)と地に曳(ひ)くその影とを見送った...
永井荷風 「雪解」
...摺(す)れちがって竜之助の方で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああ云う乙女(おぼこ)にはもう少しデリカシーの籠(こも)った言葉を使ってやらなくっては」「二郎はまるで堂摺連(どうするれん)と同じ事だ」と父が笑うようなまた窘(たし)なめるような句調で云った...
夏目漱石 「行人」
...危うく手摺(てすり)から乗出させた唐櫃が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...摺り拔けるやうにバタバタと母親の部屋へ驅け込んでしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...散々手古摺(てこず)らした末...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暗解翠裾花下摺とある...
原勝郎 「鞦韆考」
...ざわざわと葉摺(はずれ)の音...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...それからチースストロンと申すのは玉子の黄身二つへバター大匙一杯半と砂糖小匙一杯に芥子を小匙一杯半塩少しと唐辛(とうがらし)極く少しと胡椒少しとを加えて摺卸(すりおろ)したチースを大匙二杯入れて混ぜてまたメリケン粉を大匙五杯混ぜてそれへ牛乳を好(い)い加減(かげん)に注(さ)して煉り展(のば)します...
村井弦斎 「食道楽」
...しかしそれは追々覚えるとしてそれから南京豆をどうするのです」妻君「擂鉢でよく摺れたらお湯を適宜に加えて塩と砂糖で味を付けますがモー一層美味しくするのは牛乳を半分ほど加えます...
村井弦斎 「食道楽」
...」引き摺られるオルガの反(そ)り返った足先は...
横光利一 「上海」
...こんな手古摺(てこず)ッたことはございません...
吉川英治 「江戸三国志」
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