...かく色を揃へて花を飾るには、園生(そのふ)の草をも、野に茂る枝をも、摘み盡し、折り盡したるかと疑はる...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...がまんして摘みとらなければならないだよ...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「野のはくちょう」
...態々(わざわざ)それ等の花を摘み取つて...
石川啄木 「道」
...ここにその研究結果の一端を摘み出だして...
井上円了 「おばけの正体」
...中身のない封筒を摘みあげて...
海野十三 「流線間諜」
...摘みしむかしの香(か)ににほふ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...「大阪へ行くつて晝頃から出掛けましたから今日は遲いでせうよ」と言つて糊を附け終つた紙の上の兩隅を兩方の手の二本の指で摘み上げて目の高さまで上げたのを下へ下さうとしたはずみに...
高濱虚子 「俳諧師」
...先月は八瀬(やせ)の方まで摘みに行(い)て...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...小腰をかがめて何か白い花を摘み取らうとしてゐるところでした...
土田耕平 「のぞき眼鏡」
...「黄檗(おうばく)を出れば日本の茶摘みかな」茶摘みの盛季(さかり)はとく過ぎたれど...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...野の中で花を摘み集めたり...
豊島与志雄 「土地」
...若い恋人らが四月にライラックの花を摘みにゆく所だと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...後園に栽培したる薬草を摘み久米氏に托して贈る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...土筆を摘みによくエトルタへまいりましたわ」「フランスでは土筆のことを鼠の尻尾というんでしょう」「あたしたちが土筆を摘んでいると...
久生十蘭 「ユモレスク」
...伊勢貞丈の「安斎随筆」には「つめる」にて即ち「膚を摘み痛むるより起る詞なるべし」という意見が見えている...
穂積陳重 「法窓夜話」
...摘み物が三品ばかり並べてあった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ただ一つの貧弱な花束を摘み取っただけで...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...あとの一人にもこの頃めつきりそれが見えだして來たといふ二人はわれさきにとその小さい粒の實を摘みとつてたべた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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