...この秋の日の七里ヶ濱の波のやうに靜かに搖りあげて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これがために搖り動され...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...信吾の心が生れてから今日一日ほど動搖した事がない...
石川啄木 「鳥影」
...東京の家は地震でも搖れたら危い位...
石川啄木 「天鵞絨」
...湯(ゆ)の搖(ゆ)るゝがまゝに舞(ま)ふ...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...舟は烈しく搖れ出した...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...咽(むせ)んで搖(そゝ)る漣(さゞなみ)に熱い動悸(どうき)を見せてゐる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...身體を二三度搖つて反動をつけておいて...
竹久夢二 「砂がき」
...是れ閣下の内閣が漸く内部の動搖を始めたる所以なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...あるいは離れたりして搖れているように思われた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...内部(ないぶ)の動搖(どうえう)やら...
夏目漱石 「門」
...あり得たのか?」私が殆(ほとん)ど全身的に搖り動かされたのは...
「處女作の思ひ出」
...御用だぞツ」凾嶺全山を搖(ゆる)がすほどの聲がして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さりながら降(ふ)り積(つも)る雪(ゆき)車輪(しやりん)にねばりてか車上(しやじやう)の動搖(どうえう)する割(わり)に合(あは)せて道(みち)のはかは行(ゆ)かず萬世橋(よろづよばし)に來(き)し頃(ころ)には鐵道馬車(てつだうばしや)の喇叭(らつぱ)の聲(こゑ)はやく絶(た)えて京屋(きやうや)が時計(とけい)の十時(じふじ)を報(はう)ずる響(ひゞき)空(そら)に高(たか)し...
樋口一葉 「別れ霜」
...自分は體(からだ)を搖られるので...
三島霜川 「水郷」
...夜の浪は寄せて碎けて、引いて、散つて、また搖れた...
水野仙子 「夜の浪」
...あなたの透明冷徹さがすこしの動搖もなく此處にあるといふことに...
室生犀星 「はるあはれ」
...船は思ひのほかに搖れながら走つた...
若山牧水 「梅雨紀行」
便利!手書き漢字入力検索