...烈しくざわざわ揺れたと思ふと...
芥川龍之介 「杜子春」
...あとには電線が空で揺れた...
石川欣一 「山を思う」
...それが一浪乗って揺れた風情である...
泉鏡花 「浮舟」
...二人の立っている床がごくんと揺れたかと思うと...
海野十三 「怪塔王」
...別に音を立てた訳ではないけれど、ほんの少しばかり、箱が揺れた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...硝子戸がごとりと揺れた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...右へ揺れたり左へ揺れたりしているところを見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...白骨は、つい今まで自分たちの隅々隈々(すみずみくまぐま)までも知っていたわが家同様のところ、どう考えても、急にこんなになりそうな人は思い出せないから、二人は面(かお)を見合わせたっきりでいると、「さあ、それでは皆さん、もう一息御苦労」「はいはい」釣台をかつぎ上げた時に、揺れた調子か、山風にあおられてか、面のあたりにかぶさっていた白い布の一端が、パッとはね上ると、その下に現われたのは、久助は傍見(わきみ)をしていたが、馬上のお雪ちゃんは、ハッキリとそれを認めて、「あっ!」あたりの誰人をも驚かした声をあげたが、それよりも当人のお雪ちゃんが、土のようになってふるえたのは、覆われた白布のうちから見せた死人の面は、例のイヤなおばさんに相違なく、まだつやつやしい髪の毛がたっぷりと――あの脂(あぶら)ぎった面の色が、長いあいだ無名沼(ななしぬま)の冷たい水の中につかっていたせいか、真白くなって眠っているのを、たしかに見届けました...
中里介山 「大菩薩峠」
...尻が蒲団(ふとん)の上に落ちつく暇がないほど揺れた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...足もとの床がぐらぐらと揺れたかと思うと...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...もう一方の端が揺れたのだ...
堀辰雄 「雪の上の足跡」
...何をいえ地が四五寸もの間左右に急激に揺れたからその揺れ方を確(しっ)かと覚えていなければならん筈だのに...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...彼等はみんな涼しそうな足つきをして蘆(あし)のようになびき揺れた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...枯れた芒がさっと風に揺れたち...
山本周五郎 「薊」
...わたくしの顔は左へ右へと揺れたけれど...
山本周五郎 「やぶからし」
...しなやかに揺れたわみ...
横光利一 「鵜飼」
...二度まで拝殿の梁(うつばり)が揺れた...
吉川英治 「新書太閤記」
...揺れたり交叉してゆく...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??