...すすりなきの袂(たもと)が揺れた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...――きりょうも、いろも、雪おんな……ずどんと鳴って、壁が揺れた...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...それはわずかに揺れた...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「絞首刑」
...一寸揺れたかと思うと...
豊島与志雄 「月明」
...大きな束髪が重そうに揺れた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...葉は少しく上に揺れてまた下に揺れた...
夏目漱石 「野分」
...彼女は決しかねて右と左へ少しずつ揺れた...
夏目漱石 「明暗」
...そして空は烈しい嵐のために鉛色となり――雨はその男の頭上を打ち――滝のように落ちて河は氾濫し――河水は烈しく泡立ち――睡蓮はその床に悲鳴をあげ――森は風に吹き砕かれ――雷は轟き――電光閃き――岩はその根もとまで揺れた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「沈黙」
...船は縦に揺れたり、横に揺れたり、悲鳴をあげたりしながら、喧騒のなかを営々と進んで行くのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...「さっき、ひどく揺れた、あすこだな...
水野葉舟 「黄昏」
...棚の葡萄(ぶどう)は大きな美しい葉を房々と縁側近くまで垂らして涼風に揺れた...
宮本百合子 「毛の指環」
...急に腰掛がぐらっと揺れたので...
山本周五郎 「青べか物語」
...半三郎の顔がぐらっと揺れた...
山本周五郎 「あだこ」
...参吉の顔がぐらっと揺れたが...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...香取の体は軽く揺れた...
横光利一 「日輪」
...揺れたりします」「桔梗どの...
吉川英治 「平の将門」
...ふいに二人の踏んでいる大地が揺れたような気がした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...遠く来つ友もはるけく出でて来て此処に相逢ひぬ笑みて言(こと)なく無事なりき我にも事の無かりきと相逢ひて言ふその喜びを酒のみの我等がいのち露霜の消(け)やすきものを逢はでをられぬ湖(うみ)べりの宿屋の二階寒けれや見るみずうみの寒きごとくに隙間洩る木枯の風寒くして酒の匂ひぞ部屋に揺れたつ十一月二日...
若山牧水 「木枯紀行」
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