...微力なる私の土地解放で崩壊したり動揺する様な確信であるならば其の根柢が空虚なる為で決して充分に鞏固(きようこ)なるものでない証拠ではあるまいか...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...始終動揺するので石で車輪に歯止めをして...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...動揺する水のためで...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...樹木の動揺するは...
高木敏雄 「比較神話学」
...あれは人心動揺する時に始るもののようだが...
高村光太郎 「回想録」
...事にふれ折につけて動揺する(今日だつてさうだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...もしくは動揺するなぞとは思いやしない...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...寺院の懸灯の動揺するを見て驚き怪しんだ子供がイタリアピサに一人あったので振り子の方則が世に出た...
寺田寅彦 「知と疑い」
...之によって自然科学の真理そのものは少しも動揺するものではない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...雲の動揺する建築...
ボードレール 富永太郎訳 「港」
...鯨舟はこっぱのように動揺する...
中里介山 「大菩薩峠」
...湖も、波も、人も、舟も、すべて穏かであるのに、漕ぎ手だけが突変して荒っぽいものになってしまい、船頭かわいやおんどの瀬戸でこらさ一丈五尺の櫓がしわるさっさ、押せ押せ下関までもさっさ、押せ押せさっさ、押せ押せそのたびに、櫓拍子が荒れるし、舟が動揺する...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを動揺する船の上で測ることは...
中谷宇吉郎 「地球の円い話」
...その動揺する家屋から...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...動揺する船の窓から灯台を眺める心地で彼は熱心な瞳を娘に投げてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...細(こまか)な綿の粉は動揺する小女たちの一群の上で...
横光利一 「上海」
...それを揺するものは静かな潮風...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それはまた新来文化に驚異の眼を見張った推古時代の日本人の動揺する心と相通ずるであろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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