...微力なる私の土地解放で崩壊したり動揺する様な確信であるならば其の根柢が空虚なる為で決して充分に鞏固(きようこ)なるものでない証拠ではあるまいか...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...相模灘に近きたりと覚しく波少しくはげしうなりて船も動揺するなり...
上田敏 「月」
...事にふれ折につけて動揺する(今日だつてさうだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...ただこの海産動物につながる連想の活動を刺激することによって「憧憬(どうけい)のかすみの中に浮揺する風景や...
寺田寅彦 「映画芸術」
...ラジオ放送化によっていつかは動揺する時を有つだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...私は見てはならないものを見たと思い、かなり動揺する...
外村繁 「澪標」
...雲の動揺する建築...
ボードレール 富永太郎訳 「港」
...風があの枝を揺するときには...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...芸術学そのものの体系は根底から動揺するということになるのである...
中井正一 「美学入門」
...汽車で明す夜といえば動揺する睡眠に身体(からだ)も頭も散々(さんざん)な目に逢う...
永井荷風 「夏の町」
...あれの気位が根柢から動揺するのはぜひもないことだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...毛に附着した雪の結晶が激しく動揺する位であった...
中谷宇吉郎 「雪」
...その動揺する家屋から...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...赤い布をかけた髷を揺するようにして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...インフレーション時代のベルリンと日本の震災時分を背景として動揺する中層の精神を描いて印象深くありました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...また動揺することになってはならない危険な会見を避けていたのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...動揺する渦の色彩を眺めていたのである...
横光利一 「上海」
...天井を揺するばかりだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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