...微力なる私の土地解放で崩壊したり動揺する様な確信であるならば其の根柢が空虚なる為で決して充分に鞏固(きようこ)なるものでない証拠ではあるまいか...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...相模灘に近きたりと覚しく波少しくはげしうなりて船も動揺するなり...
上田敏 「月」
...追付(おっつ)けクルトやズッコのお仲間(なかま)が日本人の余り知らない傑作の複製を挿図した椿岳画伝を出版して欧洲読画界を動揺する事がないとも限られない...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...あれは人心動揺する時に始るもののようだが...
高村光太郎 「回想録」
...立ってもいられぬくらい動揺する...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...もしくは動揺するなぞとは思いやしない...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...ただこの海産動物につながる連想の活動を刺激することによって「憧憬(どうけい)のかすみの中に浮揺する風景や...
寺田寅彦 「映画芸術」
...夜深(よふけ)には家を揺する貨車の響きもするのだったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...ラジオ放送化によっていつかは動揺する時を有つだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...陋屋動揺すること船の如し...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...あれの気位が根柢から動揺するのはぜひもないことだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...鯨舟はこっぱのように動揺する...
中里介山 「大菩薩峠」
...草木のはげしく動揺するを見たり...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...胸が大波のうねりを湛へて動揺するのを止め難かつた...
牧野信一 「創作生活にて」
...動揺する船の窓から灯台を眺める心地で彼は熱心な瞳を娘に投げてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...このままでは人心も動揺する憂いがありましょう...
吉川英治 「三国志」
...それを揺するものは静かな潮風...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...人目を避けて恋人とかくれに入るような秘密と似たものが五十過ぎた男の胸をそっと揺する...
吉川英治 「源頼朝」
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