...支那人は楫棒(かじぼう)を握ったまま...
芥川龍之介 「アグニの神」
...もう、いけない」帆村は、もうこれまでと思い、棒を握ったまま、満身(まんしん)の力をいれて、ぐっと手もとへひっぱった...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...ポケットからピストルを出して握ったまま...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...しっかと握ったままその手を外套のポケットに突込んだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...絵筆を握ったまま倒れた亜太郎の傍らに描き残された妙な一枚の写生画が...
大阪圭吉 「闖入者」
...竹山は拳銃を握ったまま...
豊島与志雄 「椎の木」
...手に握ったまますやすやと眠った...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...ノートとるペンを握ったまま一瞬に若い生命を奪われた学生たち...
永井隆 「長崎の鐘」
...右の手に握ったままの...
夏目漱石 「野分」
...あの晩車夫が梶棒(かじぼう)を握ったまま立往生をしたのはこのへんだろうと思う所を見廻した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...右の手に長者貝をしっかりと握ったまま...
久生十蘭 「地底獣国」
...加十は電報を握ったまま棒立ちになっていたが...
久生十蘭 「魔都」
...その場に居合わせたほどの人々が残らず彼を迎えに立ちあがった――或る者は骨牌を手に握ったまま...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...同家屋根裏に取り付けられた金一ポンド十七シリング六ペンス也(なり)のブリキの浴槽の中で片手に石鹸を握ったまま...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...オツベルはケースを握ったまま...
宮沢賢治 「オツベルと象」
...奥さんだって行く気はないんだ」扉の把手(ハンドル)を握ったまま...
宮本百合子 「或る日」
...「もう少し」丸八の墨を握ったまま...
宮本百合子 「雲母片」
...それを握ったまま畳のうえに泣き伏した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索