...さっき八っちゃんがにこにこ笑いながら小さな手に碁石を一杯(いっぱい)握って...
有島武郎 「碁石を呑んだ八っちゃん」
...堅く握つた女の腕を力委せに引寄せたと思ふと...
石川啄木 「病院の窓」
...脳味噌が誰かの掌(て)のうちにギュッと握られているような感じだった...
海野十三 「地球盗難」
...諸戸は私の涙にぬれた目をじっと見ていたが、いきなり両手で、私の手を握って、「堪忍して下さい...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ものの両面を認識して全体を把握し...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...把握的概念は実在を徴候づけることが出来る―― semantischer Begriff...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...其の時には已に再會の握手をして席を立つものもあつた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...急に腹が減り出したという次第と見えます――焼握飯(やきむすび)をたべてしまってみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...過去と未来とは把握することのできない瞬間の一点において結合すると考えられる...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...遂に夢の実体を把握し得なかったのであります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...動かぬ證據を握つて居る番頭の市助の口は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼は頭を椅子の握りの方にも半分のせてるわね...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...拳(こぶし)を握り歯を喰切(くいしば)り...
二葉亭四迷 「浮雲」
...行くよ――握手しようか...
牧野信一 「鏡地獄」
...静かに手を握った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...「どの部分を握って...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...舵輪を握る気力もなくなり...
山本周五郎 「青べか物語」
...また滝川内膳と握って...
山本周五郎 「新潮記」
便利!手書き漢字入力検索