...しかし本多子爵は更に杖の銀の握りで...
芥川龍之介 「開化の良人」
...と握りたる手に力を籠めぬ...
泉鏡花 「活人形」
...無理に手頸なんか握っちまって放さねえで...
犬田卯 「沼畔小話集」
...けれどもその固く握りしめられた右掌の中から...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...気分と云った様なものによる非合理的な把握の仕方を強調している点も...
戸坂潤 「読書法」
...なぜ存在(有)を運動・過程として把握する必要があるかということが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...両手で握りきれないほど大きな無患子の実と...
豊島与志雄 「シャボン玉」
...七瀬は、蒼白になって、息をつめて、膝を握りながら、自分の恐怖心にまけまいと、それを、じっと眺めていると、霧の固まりが屏風の背後で、ぐるぐる廻り出したように見えた...
直木三十五 「南国太平記」
...念入りに御紋章入りの提灯を握り持たせてある...
中里介山 「大菩薩峠」
...きせるを膝(ひざ)の上でぎゅッと握りしめていった...
新美南吉 「おじいさんのランプ」
...強く頼もしいラルフ・ダーンリが暖かく握ってくれた感触がまだメアリの指にうずいていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...と見るといつの間に握られていたのだろう師匠の手の二尺指(ざし)が烈しくブルブル慄えていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...レーニンが好んで用ゐた自然成長性と目的意識性との兩概念の關係はこのやうに辯證法的に把握さるべきであらう...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...このやうな全體と部分との關係は單に有機的に把握さるべきでなく...
三木清 「歴史哲學」
...オツベルはケースを握ったまま...
宮沢賢治 「オツベルと象」
...小さい巌畳な手を握つた...
森鴎外 「花子」
...次ぎにはお寺に代って藤原氏が権力を握って荘園を増すと...
横光利一 「旅愁」
...握りしめている長剣の柄(つか)には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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