...揚りきるとそのまま家々の屋根などを巧みに避けて...
淡島寒月 「凧の話」
...彼の作った紙鳶(たこ)は風の弱い時でも実によく揚りそうして強風にも安定であった...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...その人声がひときわ高く揚りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...河原で花火が揚り出したものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...広告気球は新宿の空に揚りて漂へり骨ホラホラ...
中原中也 「在りし日の歌」
...永久に死体も揚りませんでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...それっ切り揚りません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...虎なり虎なり午後なり廣告風船(ばるうむ)は高く揚りて薄暮に迫る都會の空高層建築の上に遠く坐りて汝は旗の如くに飢ゑたるかな...
萩原朔太郎 「氷島」
...日本の輸出品中最も売行の好い代物(しろもの)を眼前に見て意気頓(とみ)に揚りそこで愛国的演説をはじめ...
二葉亭四迷 「露都雑記」
...磧の手巾は再び揚りて夫婦を呼びぬ...
宮崎湖処子 「空屋」
...元気よく高く高く揚りました...
夢野久作 「章魚の足」
...幕が静かに揚り初めたからであった...
夢野久作 「二重心臓」
...そんな楽な手段では揚りそうもなかった...
吉川英治 「魚紋」
...本能寺方面の空には何とも形容し難い物音が揚りはじめていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...揚り屋にひかえていた小姓の石田佐吉と大谷平馬のふたりは...
吉川英治 「新書太閤記」
...浴後の身をへ揚り屋の腰掛にかけると...
吉川英治 「新書太閤記」
...濛々(もうもう)と黄色を帯びた濃煙が揚り始めた...
吉川英治 「新書太閤記」
...烽火(のろし)が揚りませぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
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