...今迄は知らずにゐたが更紗の卓子掛でも揉むやうなザワ/\といふ物音がする...
石川啄木 「新しい歌の味ひ」
...両手を揉むやうにして...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...言うだけ二人は心配してただ気を揉むばかりであったから...
橘外男 「逗子物語」
...それを波が揉むやうに動かすと共に...
田山録弥 「島からの帰途」
...芋を揉むような形に見え出したのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはりお神輿を揉むように...
中里介山 「大菩薩峠」
...くねくねと身を揉むのを見ると...
野村胡堂 「十字架観音」
...何んという古風な名でしょう」桜子は可愛らしい掌(てのひら)を揉むように摺り合せて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...輪袈裟(げさ)をかけて數珠(じゆず)を押し揉む...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...アンマ来り、揉む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...二時にアンマが来り揉む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あたしの見立じゃ二階の紳士は書類なんて一切持ってやしないよ」「気の揉む話ですこと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...自分でもこれぢやいけないと氣を揉むんだけども...
水野仙子 「道」
...つとめている娘は猶対手が見つかりにくいと云ってこの頃は気を揉む...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...指さきで二三度揉むやうにして絲尖を結ぶと...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...まるで洗濯石鹸(あらいしゃぼん)を揉むようで……その水を汲み換え汲み換え泡の影が無(の)うなるまで揉みました奴の三杯酢を肴(さかな)にして一杯飲もうモノナラその美味(うま)さというものは天上界だすなあ...
夢野久作 「近世快人伝」
...珠数(じゆず)にして朝に夕(ゆふべ)に白き手に打ち揉むにも宜(よろ)しからん...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...だが、せっかく十年もこの道にはいって、水を担(かつ)ぎ薪(たきぎ)を割り、夜は夜で、足腰を揉むなど、ずいぶん辛抱して来たのに、奥印可(おくいんか)も貰わないで離れては、そのあいだの勤めは水の泡(あわ)というものなんで、もう一年か、もう二年かと、じっと、我慢をしているところだ...
吉川英治 「剣の四君子」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??