...掻き消すやうに隠れてしまひました...
芥川龍之介 「杜子春」
...雲はそのまま掻き消すやうに見えなくなつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...何かしら意味ふかげな一言とともにふっとおのが姿を掻き消す...
太宰治 「玩具」
...ふっと掻き消すようにいなくなる...
太宰治 「春の枯葉」
...掻き消す如く消え失せちまった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...恐喝漢(ゆすり)はたちまち掻き消すように逃げ失せてしまった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...掻き消すように消えてしまう...
豊島与志雄 「囚われ人」
...むっつり黙り込んでいた顔の不愉快な印象を掻き消すのに必要なだけ坐っていましたが...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...二十七人もの人が改札口を出ると掻き消すやうに消えてしまつたのに當惑して...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...「それに間違ひあるまいな」「へエ」「本當に掻き消すやうに見えなくなつたのか」「へエ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「それに間違いあるまいな」「ヘエ」「本当に掻き消すように見えなくなったのか」「ヘエ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...掻き消すやうに見えなくなりました」「どんな具合に?」「大地がポーツと明るくなつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恐ろしい疑ひを掻き消すために...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...掻き消すように姿を隠してしまったのです...
野村胡堂 「向日葵の眼」
...ところがそのへんで掻き消すようにだいこんの姿がなくなる...
久生十蘭 「だいこん」
...それまでちやんとしまつといて呉んろよ!――さう言つておいて掻き消すやうに姿を隠してしまつただ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...医師の門口(かどぐち)まで来りて掻き消すが如くに失せたり...
柳田国男 「山の人生」
...星の光りも掻き消すばかりに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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