...……では、僕失礼します」小池助手はテキパキと云い捨てて、帽子を掴むと、いきなり外へ飛び出して行った...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...初めてその眞因を掴むことが出來たのであつた...
小穴隆一 「二つの繪」
...塩をむんずと掴むと...
高見順 「いやな感じ」
...このスクルージは! 絞り取る、捩じ取る、掴む、引っ掻く、かじりつく、貪欲な我利々々爺であった! どんな鋼でもそれからしてとんと豊富な火を打ち出したことのない火燧石のように硬く、鋭くて、秘密を好む、人づき合いの嫌いな、牡蠣のように孤独な男であった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...溺れる者が藁を掴むように...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...沙漠の砂を掴むで来る匈奴のやうな北風は...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...笠森仙太郎は幸運を掴むためには...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...行きなり来てわたくしの掴んでゐる鐶を掴むのです...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...重い腹をすべって垂れ下っている粗いスカートを掴むように握っている...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...二十と三十とまとまった金を掴むにゃ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...となりひら油断なく大刀を掴む...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...大助はその襟がみを掴むと...
山本周五郎 「新潮記」
...とても魚を掴むなどということはできは致しません」「舟がついて来るからいけないのよ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...小便を仕舞(しま)ったばかりの娘の首すじを掴むと...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...なおも最後的な脅迫材料を掴むべく...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...金襴の巾着を掴むが早いか梯子段を駆け降りて...
夢野久作 「クチマネ」
...漁夫(りょうし)はそれを掴むのに何のためらいもしていないようにである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...やっと掴むことが出来たのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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