...記念塔のめぐりなる石獅の口より吐ける水を掬(むす)びて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...書肆(ほんや)は不承々々に風呂の水を掬むだ...
薄田泣菫 「茶話」
...湯を掌で掬つてはこぼし掬つてはこぼししながら...
太宰治 「思ひ出」
...掌中に掬(きく)すれども...
太宰治 「めくら草紙」
...「何て奇麗な水でしょう」妻は舷側(ふなばた)の水を両手に掬(すく)い上げて川を讃(ほ)める...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...中に彼れが滿腹忠忱の情躍々として掬す可きものあり其内閣に對しては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...土を掬い上げ、小柄で掘り――二つの手を、土まみれにして、五六寸の深さに、掘った...
直木三十五 「南国太平記」
...偽物と掬(す)り替った上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...山吹色も真新しい小判をザクザクと掬(すく)いあげて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その当時どんなに俺たちが黄金を手に入れたことか! 哥薩克どもは宝石を帽子で掬つたものだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...君はスープの皿の向うの端を持上げて自分の前へスープを溜まらせてスプーンで掬(すく)うが西洋人は反対に此方(こっち)の端を持上げて皿を向うへ坂にしてスープを向う側へ溜まらせて食べるね...
村井弦斎 「食道楽」
...その水を掬(く)んで口そそぎ御符を戴かせたら...
柳田國男 「日本の伝説」
...もとは長髄彦(ながすねひこ)もしくは上州の八掬脛(やつかはぎ)ぐらいの...
柳田国男 「山の人生」
...午後から網で雑魚を掬(すく)いに行った...
山本周五郎 「青べか日記」
...岩間に滴々と湛(たた)えられた清水を掬(く)み分けて...
吉川英治 「新書太閤記」
...道頓堀(どうとんぼり)を掬(すく)ってきたような雑閙(ざっとう)だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分で竹筒に水を掬(すく)い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...悪い幻影を掬(すく)って...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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