...その中に極めて詩趣を掬(きく)すべき情味があった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...次の年にはわたしは時々食膳にのぼせるためにひと掬(すく)いの魚を取った...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...湯を掌で掬つてはこぼし掬つてはこぼししながら...
太宰治 「思ひ出」
...岩の裂目(さけめ)からしたたり落ちている水を掌(て)に掬うて飲んだ...
田中貢太郎 「狼の怪」
...世ニモ不幸ナ人ガアレバアルモノダト思ッテアナタノタメニ一掬(いっきく)ノ涙ナキヲ得マセン...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「或る人は土壌掬ひ即ち砂鉄掬ひが元だと説くが...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...中に彼れが満腹忠忱の情躍々として掬す可きものあり其内閣に対しては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それを手に掬(むす)んで口へ持って来ようとすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...御待遠(おまちどお)さま」千代子が粥(かゆ)を一匙(ひとさじ)ずつ掬(すく)って口へ入れてやるたびに...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...回転が止らうとするほんの手前で巧みに両腕に掬ひあげた...
牧野信一 「心象風景」
...両手のなかに掬って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ソラこの通り大きなスプーン匙で米利堅粉を六杯掬(すく)うだろう...
村井弦斎 「食道楽」
...味い掬(きく)すべきものがしばしば見受けられます...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...水の中から砂を掬(すく)いあげ...
山本周五郎 「青べか物語」
...やがてその中(うち)の一人(にん)が玉のような水を水晶の盃(さかずき)に掬(く)んで来て...
夢野久作 「白髪小僧」
...彼の遺恨(いこん)に対して一掬(いっきく)の悲涙なきを得ない...
吉川英治 「上杉謙信」
...もう駄目なんで?」「そうともいえない」「水を掬(すく)ってきて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...表(あら)はには云ひよらずとも掬んで呉れがしの嬌態をば絶えずあり/\と使つてゐた...
若山牧水 「姉妹」
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