...中身を小さい匙(さじ)の上に掬(すく)いとってみたり...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...十掬(とつか)の劒を拔きて浪の穗に逆に刺し立てて六...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...書肆(ほんや)は不承々々に風呂の水を掬むだ...
薄田泣菫 「茶話」
...波々(なみなみ)と掬(く)んだところで...
薄田泣菫 「侘助椿」
...その肝腎(かんじん)なものを箆(へら)で掬(すく)ったように根こそぎ殺(そ)がれて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...また蓮華(れんげ)で掬(すく)ってやった...
徳田秋声 「黴」
...匙で一掬いずつ味をみていた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...然し掬いあげた魚を...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...身体を曲げると手で掬って...
直木三十五 「南国太平記」
...田口掬汀の某作等ありしと記憶す...
永井荷風 「書かでもの記」
...御待遠(おまちどお)さま」千代子が粥(かゆ)を一匙(ひとさじ)ずつ掬(すく)って口へ入れてやるたびに...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...こんな友誼なら掬摸児(キンチャクキリ)などにも能くある...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...岩萼(うてな)のそばへ跪(ひざまず)いて掌で水を掬(すく)って飲んだ...
久生十蘭 「地底獣国」
...貝殻杓子(かひがらじやくし)で掬(すく)うてくれ!」と唱へて...
槇本楠郎 「栗ひろひ週間」
...第八 玉子トースは玉子二つを沸湯(にえゆ)の中へ割って落して半熟になった時静(しずか)に掬(すく)い上げてトースパンの上へ載せます...
村井弦斎 「食道楽」
...一掬(きく)の涙もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵のために敗(やぶ)れて敢(あえ)なく若い偉材をこの一小島に埋めた佐々木小次郎に――一掬(いっきく)の涙をそそいで墓石を建てた古人は...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...表(あら)はには云ひよらずとも掬んで呉れがしの嬌態をば絶えずあり/\と使つてゐた...
若山牧水 「姉妹」
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