...戯れながらその味を吸ひ取りその美を掬い上げることの出来る芸術家のこゝろがある...
阿部次郎 「帰来」
...十掬(とつか)の劒を拔きて浪の穗に逆に刺し立てて六...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...あはれ瞼(まぶた)の邊(あたり)に一掬の微笑を帶びぬ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...掬(すく)えると思いました...
太宰治 「虚構の春」
...それから両手で土を掬(すく)い上げて...
太宰治 「パンドラの匣」
...世ニモ不幸ナ人ガアレバアルモノダト思ッテアナタノタメニ一掬(いっきく)ノ涙ナキヲ得マセン...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...一掬(きく)の温湯(ゆ)を注ぐような効果があるように思われる...
寺田寅彦 「柿の種」
...両手に温泉(ゆ)を掬(く)んで...
夏目漱石 「二百十日」
...その当時どんなに俺たちが黄金を手に入れたことか! 哥薩克どもは宝石を帽子で掬つたものだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...千葉掬香がイプセンの所謂散文劇の五六篇を譯して警醒社から出し...
宮原晃一郎 「イプセンの日本語譯」
...両手のなかに掬って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつものように鱒を手網で三四本も掬(すく)い出したことを思い出した...
室生犀星 「蛾」
...汁を掬(く)むものはシャクシと区別するに至ったが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...掬(すく)い上げ掬い上げしておりました...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...まことに雅致掬すべき街だ...
横光利一 「欧洲紀行」
...御手洗(みたらし)の水を掬(すく)ってきて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分で竹筒に水を掬(すく)い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その足を軽く掬(すく)った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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