...掬(むす)ばば凝(こ)つて掌上(てのひら)に晶(たま)ともなるべき程澄みに澄んだ秋の水が...
石川啄木 「葬列」
...水を含んだ軟かい泥を掬い上げては...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...試みに之を掬せしに...
大町桂月 「沖の小島」
...『歸依(きえ)』の掬(く)むなる常若(とこわか)の生命(いのち)湛(ただ)ひぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...また下(した)に隱(かく)るるおほみ心(ごゝろ)も掬(むす)びえて...
薄田淳介 「白羊宮」
...そして氷業者はそれを一度掬(すく)い取ったが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...両手を合せて掬(すく)って...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...江戸から遠くここに来(きた)って親しく井の水を掬(く)んだか否か...
永井荷風 「葛飾土産」
...もっと大きなもの――それをお前はそのお椀(わん)で掬(すく)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...平和の光景以て掬す可し...
長塚節 「草津行」
...いつぱい掬(く)んで来てくれ...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...牛(うし)が淵(ふち)へおたまじゃくしを掬(すく)いにゆけたり...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...一掬(いっきく)の涙があってもよいではないか...
牧野富太郎 「植物知識」
...モー一つ肝腎(かんじん)なことは煮ながら根気好く上へ浮いて来る白いアクを掬(すく)い取らねばなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...十分間ばかり過ぎたらテンピの戸を明けて引出して肉の上へ大匙一杯のバターを塗って肉から出た汁を匙で掬(すく)って肉の上へかけてまた焼きます...
村井弦斎 「食道楽」
...一掬の清水はよく庭裏の誠をうつすからである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...午後から網で雑魚を掬(すく)いに行った...
山本周五郎 「青べか日記」
...ルパンが早くも足を掬ったのだ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??