...修道女が控え目にする低い咳の音がそのまま録音に入って来て...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...前には三吉と大辻とが控(ひか)えている...
海野十三 「地中魔」
...これは嵐山(らんざん)の戸無瀬(となせ)の滝を目の前に控へてゐるので...
薄田泣菫 「茶話」
...ながい長い行程をまえに控えている私達の心臓をいささか民族的な感傷に甘えさせずにはおかない...
谷譲次 「踊る地平線」
...常ニ弟子ノ一人ガ附キ添ッテウシロニ控エテイル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...二十四人の家僕が彼の広間に控えていたし...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...南方においては南洋群島を控えて濠州と相連なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...例の控え目な態度を捨てなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...控え室での饒舌(じょうぜつ)は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この講義をするものは一方に控えていて順々に立って行くのであるが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...まだその次に主要な部分が控へてゐるので...
野上豊一郎 「演出」
...大した用心をするでもなく控えております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...差迫る大晦日を控えてここも大世話場の真っ最中だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...と突兀(とっこつ)と肩をそびやかして控えているところへ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おとなしく控えております」深志は「おれは...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...他方はまだまだと控えている...
本庄陸男 「石狩川」
...従者の控えへ駈けて行ったが...
吉川英治 「平の将門」
...まるで死を間近に控えた男のような話し振りでした――我が身の上に降り掛かった出来事について繰り返しましたが...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
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