...道理(もっとも)だと控えました...
泉鏡花 「婦系図」
...放縦危激な民論を控制(こうせい)し調節するが常である...
内田魯庵 「四十年前」
...主に口を利くのは蒔(まき)だけで幾は心持その後に控へてゐる風があり...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...資本主義諸国に於てのような制限や手控えは現在少しも必要ではない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...『朝日新聞』はその所謂「自由主義」を著しく控え始めた...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...カントの先生にはドイツ啓蒙哲学の組織者クリスチャン・ヴォルフが控えている...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...自分以外の者にはだれにもほとんどわからない小さな控え帳――ごく細かな備忘録だけだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鎧櫃のみがビクとも動かずに控えている...
中里介山 「大菩薩峠」
...此(この)時(とき)宗助(そうすけ)と並(なら)んで嚴肅(げんしゆく)に控(ひか)えてゐた男(をとこ)のうちで...
夏目漱石 「門」
...あるいはお望みなら控室へ入っていくことが許されています...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...後の控えの間にはつづれ織りがかかっており...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...折柄間もなく新穀の出廻(でまわ)り期を控え...
本庄陸男 「石狩川」
...恰で憲兵見たいな顔つきをして控へてやがんのさ...
牧野信一 「タンタレスの春」
...正月を控えて誰も参らん...
正岡容 「寄席」
...今まで何事も控目に仕て居た恭吉は主人が居ない様な時には昼日中(ひるひなか)あたり介わずにお関に小使をねだったり何と云っても仕事を仕ずにゴロンとなって講談本か何かを読み耽ったりする様に我儘になり出した...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...わざとお呼びせずに控えておりました」「だってもうとッくに日が暮れておりますのよ」「なるほど...
吉川英治 「江戸三国志」
...今日の船坂越えを控えてのせいか...
吉川英治 「私本太平記」
...玄関に控えていた仲間が...
吉川英治 「山浦清麿」
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