...こっちは一吹きで控えたのに...
泉鏡花 「婦系図」
...」先生の前で、立騒いでは、と控えたが、門生が澄まし込んで冷淡に膝に手を置いているにも係わらず、酒井はずッと立って、脊高(せだか)く車掌台へ出かけて、ここにも立淀む一団(ひとかたまり)の、弥次の上から、大路へ顔を出した……時であった...
泉鏡花 「婦系図」
...』其の時まで黙つて控へてゐた弁護士の一人が立ち上つて裁判長に頼みました...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...初めはやわらかく控(ひか)え目に...
梅崎春生 「幻化」
...それは乳人が母の館へ連れて行くことを控えるようになったからで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...給仕男が椅子の背後に控えていようと...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...狭い薄暗い控え室...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あの窓に控えてりゃあ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...忙がしい用事を控えて...
直木三十五 「南国太平記」
...それは控へることにした...
中島敦 「環礁」
...私は其夜もひどく寂しい隣の座敷を控へてつく/″\と思案した...
長塚節 「隣室の客」
...生死以上の難関を互の間に控えて...
夏目漱石 「虞美人草」
...これも鋭利なる論弁家であった東京控訴院長長谷川喬(たかし)君が...
穂積陳重 「法窓夜話」
...やはりそれを正直にいふことが控へられた...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...さし控えてよいことをしたと思って居る...
柳田国男 「予が出版事業」
...控えには松原十右衛門と村山喜兵衛が待っていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...敵国の情報などと固くなって告げるのも控えられた...
吉川英治 「新書太閤記」
...控え目にいってそれ以上のことは口をつぐんでいる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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