...前に土器(かわらけ)を控えると...
泉鏡花 「婦系図」
...やがて東京の控訴公判も近づく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...李生は刀を控えた...
田中貢太郎 「申陽洞記」
...すらすらと讀んで行くのが此方に坐つて控へてゐる呉葉にも氣持好く感じられた...
田山花袋 「道綱の母」
...彼は両方に谷を控えた頂上の道を歩いていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...控えの間に退ってしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...控えおろう』と叱ったっけ...
中里介山 「大菩薩峠」
...控所(ひかえじょ)へ帰って来たら...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...廻(まわ)り合(あわ)せだから」産という肉体の苦痛を眼前に控えている細君の気息遣(いきづかい)はただでさえ重々(おもおも)しかった...
夏目漱石 「道草」
...清(きよ)が自分の前に小さな膳(ぜん)を控えたなり...
夏目漱石 「門」
...これは少し離れて差し控えましたが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...番所の控えには、『酉刻(むつ)上刻、紀州様御内、御中以下〆二十二挺』と、ちゃんと記帳されたのに、正門を入ったときは、それが、わずか九挺になっていた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...玄関脇の控ノ間へ行ってみると...
久生十蘭 「湖畔」
...明日の祭日を控へて好景気...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...漱石は大学の教授控室になじめなかった...
宮本百合子 「新しいアカデミアを」
...そのまた陰影の地に落ちたところなどに水鶏(くいな)が戸をたたく音に似た声で鳴いているのもおもしろい庭も控えたこうした所で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...手控えのようなものも交っていた...
柳田国男 「故郷七十年」
...黙って控えているしかなかった...
吉川英治 「私本太平記」
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