...もう兄は地獄へ行ってしまった後だった」「兄さんは天誅に値する方ですか」「故人の罪悪をここで一々復習して死屍に鞭打つことは差控えましょう...
海野十三 「地獄の使者」
...少し外方に進出するとそこにちゃんとめしべの柱頭が待ち構えていたかのように控えているのである...
寺田寅彦 「沓掛より」
...しかし教会が処罰を差し控えるおもなる原因は...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...控(ひかえ)へ出て行ったりして...
中里介山 「大菩薩峠」
...一人も帰らないその控所に取残されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...あとに会場を控える身にとっては...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分はその日の午後に是非片づけなくてはならない用事を控(ひか)えていた...
夏目漱石 「永日小品」
...人の邪魔になる方針は差(さ)し控(ひか)えるのが礼儀だ...
夏目漱石 「草枕」
...片をつけたい或物を胸の奥に控えていた結果に過ぎないのは明かであった...
夏目漱石 「門」
...不満があれば控訴でもせよだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...自分では控目にしてゐるのかも知れぬが...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...それを表にあらわさず控えめに慎ましく生きるのが女のたしなみだ...
山本周五郎 「菊屋敷」
...患者控室は十畳ばかりのリノリウム張りであった...
夢野久作 「復讐」
...いやおうなく控えさせてしまった...
吉川英治 「黒田如水」
...平々凡々と口をさし控えているだけのことであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...きさまが居酒屋の曹正か」「うんにゃ、ちげえますだ」と、その百姓は、クスンと鼻皺(はなじわ)を寄せて、隣に控えていた、もひとりの百姓の顔を見た...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分ひとりかと思いのほか、控え席には、すでに十名以上の修行者が来ている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし引きしめて控え目に...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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