...向こう側に控えた生徒たちの前へ坐(すわ)っていたことを覚えている...
芥川龍之介 「追憶」
...庇(ひさし)に厚い苔(こけ)の乾いた面会人控室へつれて行って貰った...
芥川龍之介 「冬」
...此方(こなた)に控えながら...
泉鏡花 「海異記」
...どうぞ控室でお待ちになっていて下さい...
太宰治 「正義と微笑」
...控えておってくれ...
田中貢太郎 「申陽洞記」
...第一正月を控えて大(おおい)に困るから...
田中貢太郎 「妖影」
...ここにこうして鹿爪らしく控えてる立派な連中にも...
豊島与志雄 「道化役」
...背後には人家の大きな二つの突出部が控えていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...宅へ帰ると永年藩政に勤労して実験にも富んでいる父が控えているので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...一心斎は咽喉(のど)まで出た分けの合図を控えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...門の左右には周囲二尺ほどな赤松が泰然として控えている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...長火鉢の傍らに四十格好の脂肪肥りにでっぷりした丸髷を結った内儀が煙管を弄び乍ら悠然と控えて居るのが見え...
西尾正 「陳情書」
...下には百人の給仕が控えていて...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...だからそれに對する批評は控へよう...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...前に控所であった室の隣の広間をさして...
森鴎外 「余興」
...そばにも二人ほど控えていて...
吉川英治 「江戸三国志」
...領下の戸帳(こちょう)や蓄備倉(ちくびそう)の表(ひょう)や年貢控(ねんぐひか)えなどを克明(こくめい)に見終っての後...
吉川英治 「私本太平記」
...信雄の意中はともかく、こう二人は、さすがに、使いとして、徳川家へ臨むのも、気まりが悪そうに、大書院の席に、ひどく萎縮(いしゅく)して、控えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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