...北村四海(きたむらしかい)君の彫刻の女が御隣に控えたベエトオフェンへ滴(したた)るごとき秋波(しゅうは)を送っている...
芥川龍之介 「葱」
...小室が云ふまゝに餘儀なく庭内に控へたものゝ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...自分は暫く牛を控へて後から來る人達の樣子を窺ふた...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...私共科学者の集会はなるべく控えるか...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...木村が正造を慢罵したといって控室へ押しかけた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...香炉のように控えて居るが...
谷崎潤一郎 「少年」
...小柄な肩に控目な様子をつくろつて...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...秦と千枝子とは襖ぎわに控えた...
豊島与志雄 「非情の愛」
...今の三田尻の海港を控へ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...それと見て近くにいた人も立ち上ってがんりきの袖(そで)を控えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...控えおろう』と叱ったっけ...
中里介山 「大菩薩峠」
...廊下も控所も外来の患者でいっぱいに埋(うま)っている事があった...
夏目漱石 「行人」
...始めて「あの女」を控室で見たときは...
夏目漱石 「行人」
...黒子の有る無しを見届けるだけは差し控えた方が得策だろうと判断した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...鳩(はと)の言葉(ことば)の終(をは)るまで何(なん)にも云(い)ふまいと控(ひか)へてゐました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...次の間に控えさせておりまするが……」「何と……次の間に控えさせておると申すか」「御意に御座りまする」「それならば何故早く左様(さよう)言わぬか...
夢野久作 「名君忠之」
...しばらく後ろに控えていたようだったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...「しばらくそこに控えておれ」と初めて笠の紐(ひも)を解きにかかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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